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円高基調はしばらく続く ドル円は年初から10%変動

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  • 佐々木 融 ふくおかフィナンシャルグループ チーフ・ストラテジスト

年初に1ドル=120円台で始まったドル円相場は、1月半ばには116円ちょうど付近まで円高が進行。1月29日の日本銀行のマイナス金利導入発表を受けて、121円台後半まで急騰した。

その後、再び急落し、一時1ドル=110円台を記録した。110円台は2014年10月31日に日銀がサプライズ緩和を行ったとき以来の円高ドル安水準だ。

筆者は今年の年末までにドル円相場が1ドル=110円まで下落すると予想していたが、わずか1カ月半でターゲットは達成してしまった。

昨年1年間のドル円相場のレンジは、1ドル=115.85~125.86円だった。変動率は8.6%にとどまり、約40年ぶりの狭いレンジ内での動きだった。

今年に入ってからまだ1カ月半しか経過していないが、ドル円相場は10円以上変動している。変動率にすれば9.6%と、昨年実績をすでに超えている。厳密に言えば今年に入ってからというより、2月前半の半月だけで10%以上変動した。

この間の主要通貨の対円騰落率を見ると、円が圧倒的に強い通貨になった一方、米ドルが最も弱い通貨になっている。つまり、「円高」と「米ドル安」双方の要因がドル円相場を急落させた格好だ。

 

円高の背景を考えてみると、投資家の不安感が一層高まったことが円買いを呼んだと考えられる。中国をはじめとする新興国経済に対する懸念が続いている中、米国やユーロ圏経済も昨年の第4四半期(15年9~12月)にスローダウンし始めた。この間の世界の株式市場は総崩れで、フランスやドイツの主要株価指数も短期間で10%以上も下落している。

米利上げ期待が後退 

一方、ドル安の背景はFRB(米国連邦準備制度理事会)のイエレン議長の議会証言がきっかけとも考えられるが、総じて言えば、前述のとおり米国経済に対する不安の高まりから先行きの利上げ期待が後退し、米国の長期金利が大きく低下したことが主要因であろう。

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