8月下旬に生じたグローバルなリスク回避、ポジション調整は、想定以上の規模に及んだ。
中国景気の不透明感が広がる中、適切な措置であるはずの人民元切り下げ、金融緩和が、逆に投資家の不安心理に拍車をかけた。中国株の急落も、その前の急騰がバブルであったことからすれば弾けて当然とはいえ、不安感を増幅したようだ。矢継ぎ早に打ち出された対応策も、そこまで中国景気は悪く、政府はコントロールできていないのか、との疑念を呼んだ。
投資家心理の悪化は保有ポジションの主観的なリスク量を増大させる。それを受けたポジション圧縮の動きによりリスク資産価格は下落。その価格下落と急速に高まった価格変動率がさらに高リスクとの評価を高め、さらなるポジション圧縮を招く。こうした負の連鎖が、想定を上回る混乱をもたらした。
円に関しては積み上がった投機的な円売りが買い戻される過程で、円高が円買い戻しを呼ぶという連鎖で急速な円高が進んだ。
ポジション調整が一巡
しかし、一連のリスク回避行動、ポジション調整はどうやら一巡したようだ。株価は持ち直し、米国長期金利も反発している。今回の動きは、新たなトレンドの始まりではなく、あくまでもポジション調整、従来のトレンドに対する調整局面にとどまると見てよいだろう。
ポジション圧縮が一巡すれば、リスク資産価格の下落には歯止めがかかる。米国株も大幅安となったが、さすがに株価が割安となる領域に達して下げ止まった。各市場でなりふり構わぬポジション調整により生じた相場下落も、裏付けのある価格水準を下回れば自律的に止まる。
引き続き、市場全体を見る軸は、米国対中国、という視点だ。
発端となった中国景気に対する不透明感はなおぬぐいきれないが、いくつかの指標には政府の対策が効果を上げつつある兆しも見える。この先、コントロール不全のままに中国景気が後退に陥るとの見方は行き過ぎであろう。
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