今こそ日本企業は、新たな「日本的経営」を確立すべきときではないか。
かつて、日本的経営がもてはやされた時期があった。驚異的な経済成長を遂げた日本には、終身雇用制や長期的取引慣行、メインバンク制など、ほかの国とは異なった経営の特徴があった。そのため、そこに企業経営の新しい形があるのではないか、成長の源泉があるのではないかと考えられたのである。1980年代から90年代にかけて、内外で日本的経営に関する多くの研究もなされた。
しかし、その後バブル崩壊を経験し、「失われた20年」とも呼ばれるような時期を経て、日本的経営という言葉はほとんど聞かれなくなってしまった。グローバルスタンダードという言葉がはやり、世界の標準に近い経済システムや欧米の経営スタイルにできるだけ近づけようという動きが強まっていった。
このような動きは、経済がグローバル化していく中で、当然必要な改革であったといえよう。
また、日本的経営がもてはやされた時代に比べて、今は海外進出企業や外国人従業員がはるかに増えている。多国籍化が進み、何をもって日本企業と呼ぶのか定かでない状況も生じている。
しかし、それでもなお、あるいはそれだからこそ、日本企業あるいは日本出身の多国籍企業は、その特徴を生かしたスタイルを身に付けるべきではなかろうか。
なぜなら、ほかと同じではない特徴的な点があってこそ、企業は競争力を持ちうるからである。グローバルスタンダードに合わせる過程で、競争力の源泉となるべき特徴も捨て去ってしまうのでは意味がない。
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