為替の水準を議論する際に、たびたび言及される実質実効為替レート。6月10日には黒田東彦日本銀行総裁が「実質実効為替レートがここから先、さらに円安になることはありそうにない」と発言し、注目された。
実質実効レートはグローバル市場における為替の総合的な実力を表すもの。輸出の価格競争力を見るうえで適切な指標とされる。2国間レートとの違いは、「実質」と「実効」を考慮していることだ。
「実質化」は物価上昇の影響を除くこと。2国間の名目為替レートが変化しない場合、物価が上昇したほうが製品のコストが割高になり、上昇していないほうの競争力が改善するためだ。
「実効化」は2通貨間だけでなく、複数の主要通貨間の為替レートを反映させること。当該国と相手国の貿易シェアを用いて2国間の為替レートを加重平均している。
BISが実質化、実効化の基準を作っており、日本銀行もこれを用いた統計を公表している。「実質化」には消費者物価指数を用い、通貨ウエートで最大なのは中国・人民元の29.5%、次が米国ドルの16.6%となっている(ブロードベース)。
実質実効レートで見ると、円は1995年をピークに下がり続けている(図表1)。
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ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは、BISが対象とする61カ国について、95年を起点とする実質実効レートの騰落率を出している。日本はアルゼンチンに次いで下から2番目だ。
日本の物価上昇率は多くの国よりも低い状態が続いたことが、累積的に実質実効レートを押し下げてきた。また、この間の人民元の上昇も円の押し下げに寄与した形だ。
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