トヨタ自動車が7月24日に「AA型種類株(AA株)」を発行する。取得から5年間売買できないが、一種の「元本保証」という特殊な株式だ。次世代技術の開発資金調達と中長期で支えてくれる株主の創出を狙って導入する。
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その発行の可否は6月16日の株主総会に諮られた。事前に議決権行使助言会社や海外機関投資家が、経営の規律を失わせるなどの理由で反対を表明。株主総会でも「具体的なメリットがわかりにくい」「優先配当を受ける株主は経営陣に好意的な判断しかしない」といった批判や質問が多く出た。だが、豊田章男社長が「種類株発行は株主の方に選択の幅を広げる意味がある」「未来のモビリティ社会を作るために一緒にやりましょうよ」などと説得。結局は約75%の賛成を集めて承認された。
ミドルリターンの商品性
トヨタの既存株主の間では賛否が分かれたAA株だが、投資対象として見ると非常に魅力的な側面を持っている。
前述のように、AA株は原則5年間、売却できない(トヨタが株式公開買い付け〈TOB〉をかけられた場合の応募や相続を除く)。配当利回りは初年度の0.5%から毎年0.5ポイントずつ段階的に上がり、5年後には2.5%となる。
5年後以降は発行価格でトヨタに買い戻しを請求できる権利がある。トヨタの財務体質を考慮すれば、この買い戻し請求権が「元本保証」と称されるゆえんで、本当の意味での元本保証ではない。
5年後からは普通株への転換権も発生する。転換社債に似ているが、普通株と同等の1株当たり議決権を有しており、経営に物申すことができる。
7月に発行される個人向け国債5年固定の利率は0.05%。三菱東京UFJ銀行のスーパー定期(300万円未満)は5年で0.03%。AA株は5年間保有すると配当利回りが年平均で1.5%、10年なら同2%となる。預金の元本保証と意味は異なるが、その有利さは際立つ。
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