年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、資金量と市場に与える影響度の大きさから「クジラ」に例えられる。官製相場の立役者であるこのクジラの挙動に、いま変化が起きている。
GPIFの売買動向は、東京証券取引所がまとめる投資部門別売買状況の「信託銀行」に反映されるといわれる。企業の年金基金などと同様に、GPIFの売買も信託銀行を経由していると考えられるからだ。この信託銀行の売買動向を見ると、今年の2月末を境として買い越しから売り越しへと転じた(図表1)。
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GPIFは昨年10月末に資産運用方針を見直し、全運用資産に占める国内株の比率をそれまでの12%から25%に引き上げると発表した。この比率は昨年12月末時点で19.8%。今年3月末時点だと、証券会社の試算ではおおむね21%台となる。
下値を拾う買いに戻り パッシブ偏重も是正へ
信託銀行の売買動向と併せて見ると、次のような変化が起きたと思われる。国内株比率を20%近くに一気に引き上げる過程では、株価が上昇する局面でも積極的な買いを入れた。だが3月以降は、株価が高値になるにつれて、株価が調整するタイミングで適宜下値を拾うという従前のスタンスに戻した。信託銀行の売り越しは、このようにGPIFの買いが“巡航速度”に落ちたことも影響したと考えられる。
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