政府は飲酒や喫煙、ギャンブルのような常習的行為に規制や税をどの程度課すべきか。多くの国々での論点だが、世界の消費文化の生みの親である米国では現在、この論争は子供の肥満という流行病との闘いに向けられている。
子供の肥満は先進国が直面する公衆衛生上の主要な問題の一つであり、新興国にも急速に影響が及んでいる。しかも解決するには、広範なワクチン接種、飲料水へのフッ素添加、自動車の安全規則など、20世紀の公衆衛生上の政策成功例よりもっと困難な課題が控えている。
肥満で世界のトップを走る米国は、肥満論争でも最先端を走る。ミッシェル・オバマ米大統領夫人の「レッツムーブ」教育キャンペーンは1世代で子供の肥満をなくそうとしている(成果はまだ明らかでない)。ほかにも、シェフのジェイミー・オリバーなどの有名人による訴えに加えて、「セサミストリート」に触発された「キッキングニュートリション(すばらしい栄養)」(情報の全面開示で、考案者は私の妻)など、仲間同士の学びを基礎とする学習を利用する試みもある。
ただし、過剰な消費を引き起こす潤沢な資金と強い動機を持つ食品大企業が支配する環境で、教育だけで十分かは未知数だ。子供を標的とするコマーシャル付きのテレビ番組は、健康にとっての価値が疑わしい加工食品の広告で満ちている。
肥満の原因は科学的に未知の部分が多いが、これを流行病と呼ぶのは誇張ではない。米疾病対策センターによると、米国の6~11歳の子供は約18%が肥満だ。
最大のリスクは、子供の肥満が大人の肥満につながることで、糖尿病と心臓病のリスクも増える。専門家の推定では、先進国の大人全体の18%以上が肥満だ。もっと驚くべきことは、米国民全体の約9%、そして世界の大人のやはり9%前後が糖尿病であるという推計だ。
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