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米国のリーダーシップ TPP交渉で問われる

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先月の記事で指摘したが、米国では自由貿易に関する超党派のコンセンサスが損なわれているため、ホワイトハウスはTPP(環太平洋経済連携協定)などの条約に関して議会で何とか過半数を獲得しようと、身勝手な企業利益に譲歩している(本誌5月30日号)。

新たな貿易政策は、米国を自滅的な戦術に追い込んでいる。それを典型的に示すのが、最恵国待遇(MFN)だ。自由貿易秩序の核心であるにもかかわらず、TPP交渉ではこれにこだわるべきではない、と米国は主張している。

MFN条項を盛り込まなければ、たとえば日本が米国の牛肉・豚肉について関税引き下げを認めても、それがオーストラリア産やカナダ産の牛肉・豚肉に自動的に適用されることはない。そうすると、米国以外のTPP参加国は、農産物の自由化について米国が日本から引き出す有利な条件とは直接的な利害関係を持たないことになり、日本に対する米国の圧力が減じてしまう。

確かに日本は多くの障壁を削減しつつある。しかし日本はおそらく、多くの品目を完全な関税撤廃の適用対象外とし、その数は米国がNAFTA(北米自由貿易協定)以降に締結した数々のFTA(自由貿易協定)の適用除外品目数の合計を上回ることになるだろう。

TPP交渉全体が立ち往生している。それは日米2カ国が農産物から自動車部品まで、経済的には取るに足りないけれども政治的には重要な課題に関する交渉に、あまりにも長い時間をかけてきたためだ。

たとえば、ニュージーランドはある規制問題について米国に譲歩する用意があるが、その成否は乳製品の取引について日本からどんな譲歩を取り付けるかどうかに懸かっている。

自由貿易への幅広い支持を取り戻すには、「自由貿易プラス補償」を考慮する必要がある。自由貿易は、それぞれの国全体にとっては双方に利益をもたらすが、各国の内部に目を向けると、貿易でより豊かになる者もいれば逆により貧しくなる者もいる。

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