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万能薬とは言い切れない 機運高まる金融取引税は

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今秋の米国大統領選挙がどんな結果になろうと、おそらく実現に向かうと思われる法案の一つが、金融取引税(FTT)導入である。税体系をシンプルかつ透明性が高い仕組みにし、抜本的な税制改革を行わなくても当座をしのげるようにする対策だ。その考え方は否定しないが、極左の支持者が夢見るほどの万能薬とは言い切れない。

FTTはすでに多くの先進国で導入されている。英国は何世紀にもわたり株式売買に印紙税を課してきたし、米国も同様の制度を1914〜64年に実施した。欧州連合もより広範な金融取引税の導入について議論を続けている。

米大統領選でヒラリー・クリントン氏と民主党指名を争ったバーニー・サンダース氏は、金融派生商品までを含む広範な金融取引税の導入を主張し支持層を広げた。クリントン氏はこれまで課税対象者を絞った案を描き、共和党候補のドナルド・トランプ氏はこの論点に対しまだ一貫した立場を示していない。しかし時が経つにつれ、両者の案もサンダース氏の案に近づくとみられる。

金融取引税の考え方は、30年代のケインズにさかのぼり、70年代にイェール大学のトービン教授によって広く知られることになった。トービン教授によると、金融取引税を導入すれば金融市場は落ち着きを取り戻し、経済のファンダメンタルズにもプラスの作用をもたらすとされた。

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