「1万ポイントまでいく」と言うのは、とある政府関係者。中国の代表的株価指数、上海総合指数の話だ。リーマンショック後に低迷したが、2014年7月の2000ポイント台から急騰し、6月12日には5166ポイントと、07年10月の最高値、6124ポイントの約85%という水準に達している。
中国の証券市場は、個人投資家が主体であるうえ、10年に信用取引を導入したこともあり、一方向に振れやすい性質がある。それにしても、景気の減速が明白な中での急騰は普通ではない。
「ガス抜きですよ」。いくつか理由が考えられるが、上海の証券市場関係者は、こう説明する。景気減速に伴い、不動産価格の上昇が止まり、資金の国外流出が増加。国内での不満の高まりを懸念した政府は株価上昇を容認、御用学者が5000ポイントまでの上昇を予測、政府系新聞は株高をあおった。日本ではあまり報道されていないが、都市部では習近平政権を支持するホワイトカラーが増えていて、その離反を防ぐ意味もあるという。
また、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立に絡んだ海外向けのアピールだと解説する中国人学者もいた。習政権が打ち出している「一帯一路」政策は中国の自信を表しており、これを実行に移すためにも、中国経済は引き続き堅調に推移している、というシグナルを発信したというのだ。見え見えの官製相場だとしても、結果が残れば、その意図は成功したといえる。
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