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意外に健闘している日本経済 統計数字は虚心に見よ

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【今週の眼】齊藤 誠 一橋大学大学院教授
さいとう・まこと●1960年名古屋市生まれ。83年京都大学経済学部卒業、住友信託銀行入社。92年米マサチューセッツ工科大学Ph.D.。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学経済学部助教授などを経て2001年から現職。専攻はマクロ経済学。近著に『震災復興の政治経済学』。(撮影:尾形文繁)

5月20日に2015年第1四半期の国民経済計算(SNA)の速報値が公表された。今回の1次速報値は、6月の2次速報を経て年末に確定されるので、あくまで暫定的な数字である。実質GDPは前期比で06%増(季節調整済み)、年率換算で2.4%増だった。

予想より高かったこともあって株式市場からは歓迎する声もあったが、それでも「力強い景気回復」とは見なさなかったようだ。実質GDP2.4%増のうち民間在庫増が2%を占めたことから、今後の在庫調整が長引くと見たエコノミストも少なくなかった。

しかし、私はけっこうよい数字が出たと考えている。14年第4四半期から15年第1四半期の変化を詳しく見てみよう。

この期間で最も大きく変わったのは、輸入価格が大幅に低下したことである。輸入デフレーターは9%低下した。その結果、輸入デフレーターに対する輸出デフレーターの比率で見た交易条件は、77%から83%に大きく改善した。

SNAでの交易利得・損失の項目では、海外から相対的に安く原材料を輸入し、海外へ相対的に高く製品を輸出することで日本経済が得る利得を計算している。この期間の交易利得は、交易条件の改善で5.9兆円(年率換算)も増加した。

SNAでは実質GDPに交易利得・損失を加えた所得を実質GDI(国内総所得)と呼んでいるが、実質GDIは、14年第4四半期から15年第1四半期にかけて1.8%増、年率換算すると実に7.2%も成長した。原油をはじめとした1次産品の価格下落が、日本経済に大きなメリットをもたらしたことがわかる。

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