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株主還元をどう考えるのか 15年度も企業業績は堅調

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  • 伊藤 高志 野村証券 エクイティ・マーケット・ストラテジスト

2014年度の決算実績がほぼ出そろった。これに関連していくつかの観点から議論を進めてみよう。

東証1部(2、3月決算期企業、除く金融)の経常増益率は前年度比プラス8.5%となったもようだ。事前の市場コンセンサス予想(5.7%)は上回ったものの、前13年度の40%近い大幅な増益と比べるとやや迫力を欠く。ただ、14年度の増益率を大きく押し下げる要因となった石油、商社を除くと経常増益率は13%にまで拡大する。

また、3月決算企業の第4四半期(15年1〜3月期)は、事前の市場コンセンサスが前年同期比4.5%減益であったのに対し、実際には6.5%増益であった。第4四半期の決算は通期業績の陰に隠れて顧みられることが少ないが、減益予想が一転増益となったわけで、これは株式市場にとって一定以上のサプライズとなったものと思われる。

さらに、注目されていた15年度の会社側予想は平均で前年度比8.5%の経常増益となった。一般的には「十分な」増益を予想している、といってよい水準であろう。

本来保守的になる会社側予想であるが、今回明確に増益のメッセージを出せた理由としてまず指摘できるのが円安の定着だ。14年度と比較して15年度は1ドル当たり10円前後の円安になる可能性が高い。同1円の為替変動は0.7%程度の経常利益の変動をもたらす。さらに15年度は、前年度の消費増税に伴う需要減の影響からのリバウンドが見込めるうえ、増税も予定されていないことから生産・販売数量の増加も望みやすい。会社側予想がしっかりとした増益となったことは、間違いなく足元の株価のサポート要因となっている。

膨らんだ自己資本

最後にROE(自己資本利益率)について考えてみよう。今回の決算では例年以上に「企業の株主還元に対する姿勢」に注目が集まった。株式の長期的なリターンとの連動性が高いROEに対して、株主還元の動向が大きな影響を及ぼすためだ。だが、ショッキングなことがあった。14年度のROEは、13年度比0.3ポイント低下し、8.8%にとどまったのだ。

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