「グローバル金融相場」の起爆薬となったのが、ECB(欧州中央銀行)の量的緩和策発動であることは論をまたない。ユーロ圏の株価は年初来パフォーマンスで抜群の成績を挙げている。
だが、その欧州株以上に急速に上昇したのが中国株である。上海総合指数は昨年5月21日安値の1991から、4月23日高値の4444まで2.2倍になっている。
ところが、この株価上昇の一方で、中国の実体経済は鈍化傾向を強めている。今年1~3月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前年同期比プラス7.0%にとどまったが、鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資といった主要指数も軒並み鈍化。特に3月の鉱工業生産は前年同月比プラス5.6%で、リーマンショックで落ち込んだ2008年11月の同プラス5.4%以来の低水準だ。
つまり、実体経済の悪化を嘲笑するように、株高が演じられているのだ。中国人民銀行は景気減速を和らげるために、昨年11月の利下げ、今年2月預金準備率引き下げ、3月追加利下げに続いて、4月19日にも預金準備率の1%引き下げと、強力な緩和策を連発している。これが、まさに「金融相場」を生み出す典型的なパターンである。
各国主要株価指数で、年初来上昇率で上位にランクされるのは中国株、欧州株、そして日本株。いずれも超金融緩和策を実施している国だ。「次の一手」が利上げの米国では、ダウ工業株30種平均が小幅プラスにとどまっている。
いずれも効果は6カ月
しかし注意を要するのは、実体経済が鈍化する下での超緩和策による、一本調子の株価上昇というアンバランスな相場は、いつまでも続かないということである。
FRB(米国連邦準備制度理事会)が「QE2」「QE3」と呼ばれる流動性供給策を実施した時期の株価をチェックしてみよう。
「QE2」の発動は10年11月3日である。ダウ工業株30種平均は、政策発動前の8月26日安値9985ドルから11年2月18日高値1万2391ドルまで切れ目なく上げが続いた。期間約6カ月で24.0%の上昇だった。「QE3」は、12年12月12日発動だが、ダウは11月15日安値1万2542ドルから13年5月28日高値1万5409ドルまで、同様に期間約6カ月、22.8%上昇した。いずれも、期間約6カ月で2割強の上昇だ。重要なのは、この約半年間の上昇後に、いずれもダウは乱高下を伴う波乱相場へと移行していることだ。
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