年末年初の世界の株式市場は、原油価格の急落に揺れた。米国指標油種のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物価格は、昨年12月11日に1バレル=50ドルを割り込むと、年明け1月5日にはさらに40ドルを割り込んだ。価格の急激な変化を市場が嫌い、日経平均株価は1月6日に前日比で500円を上回る急落に見舞われた。しかし、トレンドを持った大きな下落にはならず、結局、足元では2014年末の株価水準を回復している。
50ドル割れの水準とはいえ、原油価格の動きが落ち着いてきたことで、原油安は産油国経済にはマイナスでも、世界経済全体にとっては本来プラスに影響するということを、市場が冷静にとらえるようになったのではないだろうか。
また、1月22日のECB(欧州中央銀行)理事会で量的緩和(QE)の導入が決定され、市場が好感したことも大きい。どうやら株式市場は「修羅場」を乗り越えそうだ。
現状は企業業績に沿う
市場が冷静さを取り戻してきたことで、あらためて株価をバリューから考えてみたい。日本、米国、欧州、アジアの四極の予想PER(株価収益率、先行き12カ月ベース)を見ると、14年末時点では米国(S&P500)が16.4倍で最高、アジア(MSCIアジア・除く日本)が11.7倍と最低であるが、すべて10倍台であり、過去の推移との比較では適正もしくはやや割安と判断できる水準である。
先進国の強力な金融緩和の影響で株式市場にバブルの兆候が出ているという向きもあるが、もしそうならば予想PERは20倍、30倍という高水準になっていてもおかしくないのに、実際はそうなっていない。あくまでも企業業績の現状にほぼ沿った株価が形成されているといえる。
一方、地域別に見ると、米国、欧州、アジアは、13年以降、予想PERが上昇傾向にあり、良好な投資センチメントをある程度反映した推移となっているが、日本のみ横ばいで推移している。
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