夜の繁華街。煌々(こうこう)と輝く照明に照らされる中、幼い犬や猫がショーケースに入れられている。「かわいいね!」と歓声を上げる若いカップル。ガラスをたたいて自分のほうに顔を向かせようとする酔ったビジネスマン――。
こうした深夜営業のペットショップに、動物愛護関係者は「ペットはバッグなどのブランド品とは違う」と、厳しい視線を送る。ペットにストレスを与え、健康に悪影響を及ぼすからだ。
総務省の人口推計によれば、15歳未満の子どもの数は29年連続で減少し、2010年4月1日時点で1694万人。一方、ペットとして飼われている犬猫は合計で2234万頭に上る(ペットフード協会による09年推計)。ペットの数が子どもを大きく上回っているのが、日本の現状だ。ペット大国化する中で、ペットをめぐるさまざまな社会問題が浮かび上がっている。
飼い主の増加に伴い、ペットビジネス自体は着実に拡大してきた。今や関連市場は1兆円を超える規模。飼い主のニーズの多様化に合わせて、さまざまなペット関連サービスが登場している。
いつでもどこでも一緒にいたい
現在のペットビジネスのキーワードは「長寿化」と「家族化」だ。
室内飼育の増加やペットフードの高品質化、さらには医療技術の進歩によって、犬や猫の平均寿命は延びる傾向にある。一般的に7歳以上が高齢期とされるが、その比率は犬で5割弱、猫では4割弱にもなる。フードメーカーでは長寿化に対応して、年齢別フードを展開。ペット保険の加入者も増えている。今後は、訪問看護やデイケア、ショートステイなど、人間と同じような介護ニーズがペットでも高まることは必至だ。
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