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取引先に「仕事が雑だよね」はパワハラにあたるか 2022年4月から「防止法」が中小企業でも施行

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  • 三浦 絵美 社会保険労務士(OAG社会保険労務士法人)

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2022年4月から施行される中小企業の「パワハラ防止法」。パワハラとは何か社会保険労務士の三浦さんが解説します(写真:Mai/PIXTA)

近年、社会の働き方への関心が高まり、いわゆる「ブラック労働」への目も厳しくなっています。

そんななか、職場における「いじめ」や「嫌がらせ」を防いで、誰もが快適に働ける環境づくりを目指したのが、「パワハラ(パワーハラスメント)防止法(改正労働施策総合推進法)」で、2019年5月に成立しました。

多くの企業が意識するパワハラ防止法

パワハラ防止法は当初は大企業を対象としていましたが、今年4月から中小企業も含まれることになります。日本企業の99.7%が中小企業(小規模企業含む)ですから、多くの人は、4月の施行によって、初めてパワハラ防止法の存在を認識するのではないでしょうか。

まずは、こんな例を紹介しましょう。

「こんなクオリティでうちによく持ってこられたね。明日までに完璧な状態にして持ってきてよ」

「何年おたくに頼んでると思っているの? ずっと思ってたんだけど、仕事が雑だよね」

これは、業務委託先の取引先社員が商品サンプルを持参した際に、男性社員Aが発した言葉です。Aは10人ほどいるチームの1人でしたが、会社の人事でマネジャーに抜擢され、チームを管理する立場となりました。それを機に態度が一変したといいます。

Aの素行を訴えたのは、会話をずっと聞いていたチームメンバーの女性社員。女性社員自身、Aが取引先の社員に罵詈雑言を浴びせた件があって以降、耳鳴りや心臓の動悸が止まらず、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になったということでした。

Aに関しては、新たにチームに加わった若手社員が、上司であるAに有給を申請した際に、「何で休むの?」「所用って何?」「いま休まないといけないの?」と、しつこく問い詰めるようになったため、有給が取りづらくなった件や、深夜にチームメンバーにLINEを送りつけていた件などもわかり、結局、LINEがパワハラの証拠となり、Aは人事異動となりました。

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【パワハラはどのような行為か】

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