「1人当たり売上高どんどん増加」50社ランキング 『四季報プロ500』掲載の注目テーマを深掘り

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今回は「プロ500新春号」で取り上げた「生産性向上」のテーマの中から、5期前から直近本決算の実績まで、従業員の1人当たり売上高が毎期上昇している銘柄をピックアップ。あらたに全上場企業を対象として集計し、5期前と比較した直近決算期実績の増加額の大きさで上位50社のランキングを作成した。

一時的な要因による押し上げではなく、毎期着実に1人当たり売上高が上昇している企業は、生産性向上の取り組みが一定の成果を上げているといえる。岸田政権も日本経済の重要課題に掲げる、生産性向上で実績をあげている企業の顔ぶれを見ていこう。

1人当たり3.6億円増の再エネ電力小売り企業

トップは電力小売り事業を展開するイーレックス。全国に約1000社の販売代理店網を持ち、オフィスビルや工場、病院など向けに販売電力量を拡大させている。国内で5カ所のバイオマス発電所を運営するなど、再生可能エネルギーによる電力の拡販に力を入れている。

直近決算期末となる2021年3月末時点の連結従業員数は213名で、1人当たり売上高は6.6億円。5期前となる2017年3月末時点の104名から従業員数が109名増加すると同時に、1人当たり売上高は3.6億円増加している。

2位の任天堂は直近決算期となる2021年3月期に新型コロナ感染拡大による巣ごもりの影響でゲーム機「Nintendo Switch」が絶好調。「あつまれ どうぶつの森」などソフトのヒットも重なり、5期前と比べて1人当たり売上高は1.7億円増となった。2017年3月に発売となった「Nintendo Switch」の業績貢献が拡大していることが、1人当たりの生産性向上につながっている。

冷凍品などの食材を販売する「業務スーパー」をFC展開する神戸物産は、1人当たり売上高が1.3億円増となり、4位にランクイン。新規出店ペースが堅調なことに加えて、テレビなどのメディアやSNSなどでの露出増で来店客が増える好循環が起きている。生産性の向上とともに、株価も5年間で約10倍となっており、株式市場でも高い注目を集めている。

1人当たり売上高が7200万円増となり8位に入ったレーザーテックは、半導体の微細化に欠かせない最先端の露光技術である、EUV(極端紫外線)向け半導体マスク欠陥検査装置の需要増で業績が急拡大。2017年6月末時点の連結従業員数は288名で、2021年6月末時点では529名と1.8倍に増加。人員の拡充と1人当たり売上高の増加を両立している。

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