「リモートだと仕事ができない人」の残念な真実 工程を少し見直すだけで作業効率は上がる

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、自宅で育児をする山田さんは、会議に出席する、買い出しに行く、フォトスタジオに撮影の立ち合いにいくなど、外出する際には、家族や親戚に子どもの世話を依頼しなければなりませんから、事前にスケジュールを明確にしておくことは不可欠です。

離れて仕事をするテレワークでは、リスクが発生した場合の対処が難しくなります。とくに山田さんのように育児をしている方には、大きな影響を及ぼします。

スケジュール遅れを防ぐには

ここで、“撮影”という仕事のスケジュール表の2週目の月曜日に開催される会議に注目してください。この会議は、撮影用のラフを上司や関係者が集まって評価する場です。山田さんは、新商品であるフライパンのウリが、“誰でも簡単に持つことができる軽いフライパン”であるため、女性が軽そうに持っている写真を撮ろうと考えて、撮影イメージのラフを描いたとします。

しかし、会議の場で、開発部の先輩社員が、「私たちは、おいしく調理できることにこだわった」と主張し、撮影では“軽さ”を強調するべきか“おいしさ”を強調するかで会議がまとまらなかったとします。

そうすると、撮影イメージを決めることができず、“フォトスタジオとの打合せ”“買い出し”などのスケジュールを延期せざるをえなくなります。そうなると、山田さんは、再び、家族や親戚に子どもを預けるための調整をしなければなりません。

山田さんがテレワーカーでなければ、会議を夜まで延長する、それでも決まらなければ翌日も会議をする、そして、火曜日と水曜日に山田さんが残業して乗り切り、木曜日のフォトスタジオでの打ち合わせに間に合わせるということもできるかもしれません。

しかし、これではワークライフバランスを保つことができません。また、山田さんがすでに“新商品紹介”のメインコピーの方向性を決め、デザイン会社とデザインについて話を進めていたとすると、変更はデザインにまで影響し、場合によっては、ホームページ全体のスケジュールが遅れるリスクにもつながります。

こうしたことを防ぐために、山田さんは、撮影用のラフを1週目の木曜日の午前中までに上司に送り、上司は午後一番にチェックし、開発部の関係者と事前に共有することが必要です。その段階で、“軽さ”なのか“おいしさ”なのかの議論ができれば、山田さんは第1週の金曜日に、開発部の先輩社員の意向を取り入れたラフを作成することができます。

次ページトラブルを最小限に抑えるには
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事