午前様に朗報?東急が終電を試験延長 金曜深夜は25時台でも渋谷から電車で帰宅可能に

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バスについても、終電の繰り下げに対応した動きを取る。東急バスは現在でも、自由が丘や日吉、鷺沼、青葉台などで深夜バスが終電と接続しているが、東横線、田園都市線の終電延長に併せて、深夜バスの出発時刻を繰り下げる。さらに、渋谷から出発する深夜急行バスも終電出発後に時間を変更。新横浜行きや青葉台行きなどの最終バスの出発時刻は25時45分となる。

首都交通24時間化の試金石

今回、東急が終電の試験延長を決めた背景には「首都交通の24時間化」の流れがある。東京都の猪瀬直樹知事が都バスの24時間化を掲げており、12月20日から毎週金曜深夜に渋谷―六本木間の終日運行を試験的に行う。都市の国際化を進める上でも、公共交通機関の深夜運行延長は十分に寄与するものとなろう。

今後、東急が正式に最終列車を繰り下げるかどうかは、需要の有無や保線作業等が始発までに円滑に行われるかなどを検証した上で判断するという。

もっとも、需要面での心配はなさそうだ。これまでも25時以降は渋谷から深夜急行バスが東急沿線の各駅に向けて運行されてきたが、金曜深夜ともなると、渋谷駅の西口バスターミナルはバスの出発を待つ乗客でごった返している。また、東急沿線に近い他社線の利用者が、自宅から近いところまで25時過ぎに出発する列車を利用する可能性もある。

終電繰り下げは、渋谷の街が遅くまで賑わうだけでなく、「深夜まで電車が走っている沿線」として東急沿線の価値向上にもつながるはずだ。ただ一方で、保線作業など運行時間外の業務は、これまでよりもタイトになる。利便性と安全性のバランスをどう取っていくか。東急の試みがうまく走り出せば、他社も含めた鉄道の深夜化がさらに拡大するかもしれない。

宇都宮 徹 東洋経済 記者

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うつのみや とおる / Toru Utsunomiya

週刊東洋経済編集長補佐。1974年生まれ。1996年専修大学経済学部卒業。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信の担当を経て『週刊東洋経済』編集部に。連載の編集担当から大学、マクロ経済、年末年始合併号(大予測号)などの特集を担当。記者としても農薬・肥料、鉄道、工作機械、人材業界などを担当する。会社四季報プロ500副編集長、就職四季報プラスワン編集長、週刊東洋経済副編集長などを経て、2023年4月から現職。

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