北海道地震、大規模停電で経済に深刻な打撃 道内全域での復旧に1週間以上かかる見通し
北海道電力では、主力発電所である苫東厚真火力発電所で、タービン火災の発生やボイラーの損傷が判明している。
一方、北海道電力泊原発では一時、外部電力が喪失。非常用電源で使用済み核燃料プールの冷却を継続した。その後、外部電力を回復し、プールの冷却に支障がなくなった。
停電で企業・金融機関・交通に影響
停電の影響で、道内の主要な工場で生産を停止した企業も多い。サッポロホールディングスによると、サッポロビール北海道工場に建物の被害はなく人的被害もないが、停電のため製造ラインを停止し、復旧の見通しも未定としている。
金融機関にも影響が出ている。北海道銀行は、予備電源を利用できる本店と27支店は営業しているが、その他の113支店は営業できずにいると発表した。予備電源が使用できる一部のATMは利用可能だが、その他のATMは利用できなかった。
東京証券取引所は、地震と停電に伴って、朝方から一時停止していた札幌証券取引所での全銘柄の売買について、終日停止した。明日以降の予定は現時点で未定としている。
交通機関への被害も多い。新千歳空港はターミナルビルの被害で終日閉鎖される。JR北海道や札幌市内の地下鉄をはじめ道内の全鉄道が運行を停止した。
安倍晋三首相は同日朝、人命第一で政府一丸となって災害対応に当たると強調。自衛隊を2万5000人体制で北海道に派遣すると述べた。
政府は首相官邸内の危機管理センターに官邸対策室を設置。合わせて同日朝から関係閣僚会議も開催し、安否不明者の捜索や被害対応に当たった。
(田巻一彦 編集:田中志保)
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