ブランドコンテンツとは
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ブランドコンテンツとは

ブランドコンテンツは、企業や団体のブランディングをサポートする東洋経済オンラインの企画広告です。

メガネ業界でトップの売り上げを誇るジェイアイエヌは、チームや組織に対してとてもユニークな発想を持っています。最近では、フリーアドレスを導入し、組織として「セクショナリズムを生まない(排他的にならない)」ことに力を入れています。

「会社全体が1つのチームです」。そう話すジェイアイエヌのマーケティング室マネージャー 矢村功さん、JINS PCのプロジェクトリーダー 桝原磨里さんに、その真意を聞いてみました。


JINS PCを生んだ“有機的”なチーム

――JINS PCを開発したきっかけは?

矢村:社長の何気ない思いつきから始まりました。
「PCを使っていると目が疲れる」と社長はよく話していました。それを知人の医師に何気なく話したところ、ブルーライトの存在を教えてもらったそうです。それを受けて「ブルーライトをカットするレンズができないだろうか」と考えたのが、JINS PC開発のスタートでした。

――すぐにプロジェクトチームを結成したのですか?

株式会社ジェイアイエヌ マーケティング室マネージャーの矢村さん。JINS PCの一連のマーケティング・コミュニケーションに関わられています。

矢村:そのころはまだプロジェクトチームという形ではなく、社長と空いている社員が集まって、手探りで試作品を作っていました。方向性が定まり、柳原をリーダーに選出してプロジェクトを開始させました。

 ――プロジェクトチームの構成を教えていただけますか?

矢村:JINS PCのプロジェクトチームには、リーダーに加え、生産、商品企画、流通の担当がいます。ですが実際は、「全社でかかわっていない人はいない」くらいの規模でプロジェクトは進んでいました。

――どういうことですか?

矢村:基本的にジェイアイエヌが新商品の開発をする際は、マーケティング室のプロジェクトチームでリーダーを選出し、商品企画チームと商品の詳細を決めていきます。その後、広告宣伝やプロモーションを決めていきます。

また、レンズの調達やパッケージング、生産部門や販売店など、多数の人材や部署もかかわります。どこからどこまでをチームと言うのかが難しいです。

――なるほど、“チームで”というより、“会社で挑んだ”イメージですね。

矢村:そうですね。元々ジェイアイエヌには、「会社自体が一つのチーム」という考えがあります。

JINS PCは、医師を絡めた販売促進やパッケージ売りなど業界初の売り方が多かったので、その分野に詳しい社員や外部の人などを集めて、チームを変化させていきました。

このおかげでセクショナリズムが生まれず、かかわった人すべてが同じ方向を向いてプロジェクトが進みました。チームの結束力が、結果につながったと感じています。


JINS PC PMの栁原さん。メガネが似合っていて羨ましい。

フリーアドレスで生まれた「全社員で製品を作る」という一体感

――まさに、全社が1つのチームなのですね。プロジェクトでの情報共有はどのようにしていましたか?

矢村:基本的にはサイボウズのグループウェアを使って社内全体で情報を共有していました。

また、JINSでは、社員全員にiPhoneが支給されていて、全店舗や全社員の連絡先が入った電話帳アプリが標準装備されています。入退社などの情報更新も自動でアップデートされるので、社員とのやりとりはそちらのメッセージ機能も使っています。

――なるほど。そういえば、フリーアドレスも導入されましたよね。チームのコミュニケーションが変わったりしましたか?

矢村:フリーアドレス導入後は、さまざまな部署の仕事ぶりが見えるようになったため、ほかの人の仕事に対して想像力が働くようになりました。

――他部署の仕事を知り、何気ない会話や情報交換ができるようになりました。これがセクショナリズムを生まない組織作りに一役買っていますね。今は他部署の人との距離が近く感じるようになりましたし、これが「全社員で製品を作る」という一体感につながっています。

とは言っても、やはり仕事の効率などを考えるとチームメンバーがいる席の近くには座ってしまうのですけど(笑)。


チームを強化する鍵は、コンセプトへの“共感”

――「業界初の試み」について聞かせてください。PC用メガネは確か、以前から発売されていましたよね。

矢村:その通りです。PC用のメガネはすでに市場に出回っていました。PCを使っていると目が疲れるので、目に優しい緑色をしたレンズを採用するなど、それぞれの製品が工夫して作られています。

ただ、具体性が乏しいと感じていたんです。

――具体性、ですか?

矢村:例えば、普段メガネを使っていない人の立場で考えるとどうでしょうか。「目が疲れた時にメガネをかけよう!」とは思いませんよね。

目が疲れたら、目を休ませたり冷やしたり、疲れをとる別の方法を考えたりすると思いませんか? 目の良い人はメガネ屋に行かないので、「目に優しいメガネ」があっても、知る機会がありません。

その課題をクリアしたのがJINS PCです。ポイントは、製品とともに提供した“情報”にあります。

――既存の製品に、改めて価値を付与したのですね。

矢村:その通りです。「PCに向かっていると目が疲れるのはなぜか?」「その原因をJINS PCならどれだけ防げるのか?」、これらの答えをブルーライトの遮断率などの具体的な情報で示しました。

おかげでメガネを使っている方、使ったことがない方にも手に取ってもらえるようになりました。

――そういえばCMを拝見しましたが、ブルーライトの遮断効果などがすぐに理解でき「目が疲れないなら、JINS PCが欲しいな」と思った気がします。

矢村:まさにそう思って欲しかったのです(笑)。情報って大事だと思うんですよね。

例えば「冷やし中華、はじめました」ってのぼりを見た人は、「おいしそうだな」と思いますよね。それは冷やし中華のイメージが頭の中でできていて、のぼりによって無意識にそれを思い出し、食欲を刺激してくれるからです。

でもJINS PCは違います。「PC用メガネ始めました」とのぼりを立てても、お客様はキョトンとしますよね。「どういうものか、どんな効果か」というイメージがないからです。これを分かりやすく伝えるのが結構大変でした。

「情報」が付加されたメガネ

 

JINS PCが誕生したのは、多くの人の力が集まったから

――モノと情報を同時に提供する方法は、業界では新しい試みだったのでしょうか?

矢村:“方法”というよりは、“情報を集める過程”が新しい試みでした。

治験データの収集にあたり、医師に協力してもらうのが難しかったです。極端に言えば、メガネ屋は眼科にお客様を紹介してもらうので、依頼する立場として弱かったんです。

でも、製品を共同開発するには、対等な立場で意見を言い合わないといけません。JINS PCに興味を示してくれる医師や先生から探しましたが、最初はとても厳しい状況でした。

桝原:ただ「そういうモノがあったら良いよね」と、コンセプトに対して前向きな意見を多くいただけたのが救いでしたね。最終的には医師と強力なタッグを組み、治験データや商品に対するアイデアも集まりました。

JINS PC for Kids”は、「子供にもかけさせたい」という医師の先生の一言から生まれたメガネです。

カラフルなJINS PC

――JINS PC自体が、会社やそれを越えた1つのチームを作る軸になっていたようにも感じます。

桝原:それは面白い発想です。そうかもしれません。

JINS PCが誕生したのは、多くの方の力が集まったからです。
「こういうものがあったら良いよね」と協力してくれた先生方や、実際に使っていただき口コミをしてくれたお客様のことを考えると、決してジェイアイエヌだけの力では実現できなかったでしょう。

多くの方が共感し、力を貸してくれること――。それがJINS PCが生み出した最大の“価値”なのかもしれませんね。


JINSが目指すメガネ業界

――ジェイアイエヌさんの今後の展開についてお聞かせいただけますか?

矢村:まずは大きな話から。発明された13世紀から今まで、メガネは視力矯正をするためだけのモノでした。最近は伊達メガネなどファッション性も入っていますが、メインはやはり視力矯正です。

――そのメガネの可能性を広げたい、と。

矢村:現在、日本で視力矯正が必要な方は6,000万人といわれています。メガネの市場は元々6,000億円規模でしたが、メガネの価格が下がってきたことで、今は4,000億円まで下がっています。

JINS PCはメガネを再開発した製品だったと自負しています。メガネ売り上げトップのジェイアイエヌが業界をけん引していく責任を持って、価値を提供していければと思います。

――それはつまり?

矢村:究極的には、メガネを必要としていなかったお客様にも、メガネが欲しくなってもらいたいということです。

「1億2,000万人がメガネを必要とする社会を作り、メガネ業界にイノベーションを起こしたい」。これがジェイアイエヌの思いです。

――まさにJINS PCは、その思いをカタチにした商品ですね。

矢村:そうだと良いのですが(笑)。

今、ジェイアイエヌがメガネ業界にどれだけ変化を起こせたかというと、山で言ったら1、2合目に到達した程度だと実感していますね。

「イノベーションを起こした」と胸を張れるよう、今後もJINS PCのような機能的なメガネを生活に浸透させていきたいですね。

取材中、常に笑いが絶えないチームリーダーの二人でした。

(写真撮影 :橋本 直己)