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ブランドコンテンツは、企業や団体のブランディングをサポートする東洋経済オンラインの企画広告です。

コクヨ株式会社の「近未来の働き方、学び方」を研究する組織「WORKSIGHT LAB.」が、2012年12月10日に「『縁』を広げて企業競争力を高める!~クラウド&ソーシャル時代の働き方と働く環境~」と題し、渋谷ヒカリエでセミナーイベントを開催。

サイボウズ社長 青野慶久が社員の自立性を高めチームで成果を上げていく働き方をテーマに、サイボウズ“式”の働き方と企業文化について語った。


多様な働き方ができる理由

青野社長:サイボウズの人数はざっくり400人。300人くらいが日本人で、後は、中国とベトナムのメンバーです。チームで共有したい情報を載せるグループウェアというシステムを作っています。

スケジュール、顧客情報、売上、在庫のデータなど、会社の中のありとあらゆる情報をグループウェアに入れるとなかなか便利です。いつでもどこでも仕事ができるようになります。サイボウズが多様な働き方に対応できるのは、このグループウェアを作っていることも理由の一つでしょう。

青野社長:サイボウズが目指すのはグループウェア世界一。日本だけでなく地球上いたるところ、会社だけでなく、学校、病院、NGO、家庭やサークルなど、あらゆるチームで使ってもらうことを目標としています。これからサイボウズが実施している“制度”についてお話しますが、全てはこの目標のために実施しています。


ビジネスIT業界は、人材が採れない?

青野社長:サイボウズは離職率が高い会社でした。採用でも大手企業と比べて人が集まらない。どうしてこんなに人気がないのだろうか…と困っていました。ゲームなどコンシューマー向けのIT業界は人気があるのですが、ビジネスIT業界は学生に人気がありませんでした。

ビジネスIT業界には「7K」(きつい、帰れない、給料が安い、規則が厳しい、休暇がとれない、化粧がのらない、結婚できない)というネガティブイメージがあるといわれていた。

サイボウズは働き方の改革に取り組むことにした。


働き方を選べる会社へ

青野社長:かつてのサイボウズは、残業や土日出勤は当たり前でした。しかし、バリバリ働く人はもちろん、それなりに働く人も含めて、より多くの人がより長くより成長できる環境にしようとポリシーを見直しました。

優秀な人材の採用と定着のために人事制度を改革した

まず2006年に妊娠がわかった時点から取得できる最長6年間の育児・介護休暇制度を設けました。 次いで2007年には働き方を選択できる制度を導入しました。育児・介護に限らずライフイベントに応じて働き方の程度を社員が選べるようにしたのです。

具体的には、時間に関係なく働く“PS2”と、ちょっと残業をする“PS”、残業はできませんという“DS”の3つを用意しました。ママさん社員や、学校に通いたい人、体調が悪くプライベートを重視したいという人などが、働き方を切り替えるようになりました。

お互いに選びたいものを選ぼうとネーミングはゲーム機からヒントを得て付けられた。

青野社長:これらの制度により、妊娠・出産を機に退職する社員はいなくなりました。離職率はピーク時の28%から4%に減り、採用・教育コストも下がり、以前と比べて効率のよい会社になったのです。

2005年をピークに離職率は低下した。

離職率のピークであった2005年は、以前から実施していたストックオプション制度(一定期間内に、あらかじめ決められた価格で自社株式を購入できる権利)を廃止し、在籍期間が長いほうが有利になる“持ち株会”制度を開始した。ストックオプション制度は、報酬がまとまって入るため、離職に繋がってしまうケースも少なくなかったからだ。

青野社長:普通だと面白くないので、社員の拠出金に対し100%の奨励金を出すことにしました。言い換えれば半額で株式が買えます。社員のオーナーシップが目覚めるし、今では持ち株会が第4位の大株主になっています。

また2005年は、コミュニケーションの活性化を目的に部活動も制度化した。部員一人当たり年間1万円の補助を出している。

青野社長:3つの部門をまたがって5人以上集めると、どんな部でも立ち上げられます。最近ではジェルネイル部なんていう部もあります。

グループウェアでの活動報告を義務づけている。

在宅勤務、育自分休暇、副業解禁、感動課

2010年からは、在宅勤務制度を採り入れた。

青野社長:制度を導入した頃は、在宅でできる仕事とできない仕事がありました。だんだんと工夫し、家でできる仕事を増やしていきました。ちょうどそんな頃、東日本大震災が起こりました。交通機関は乱れ、原発の問題もあり全社員に在宅勤務を指示。本決算の発表を他の多くの企業が延期する中、サイボウズは予定どおり3月14日に在宅勤務で行うという離れ業をやりました。

在宅勤務で一番大事なのは信頼関係。普段からコミュニケーションを密にとって信頼関係を築くこと、これが何より大事です。

青野社長:最近、育自分休暇制度を始めました。サイボウズを辞めてから6年間は自由に戻ってこられるという制度です。最短で1年間で戻ってきた人もいて、もうちょっと社外のノウハウを身につけてから帰ってこいと思うことも(笑)。

社員には「これでサイボウズを辞めやすくなりました。」と嬉しいのか悲しいのかわからないことを言われているという。

その他の制度や社内コミュニケーション施策の中から副業解禁と感動課について紹介した。

青野社長副業も許可としました。サイボウズで働きながら会社に断りなく他で働いてもいいという制度です。別の働き口で新しいノウハウを身に着けてくれるし、場合によっては、サイボウズの導入を薦めてくれるかもしれない。サイボウズが潰れたときには、それぞれの所に転職してもらえるかもしれませんし(笑)。

感動課は、サイボウズの人事部内にあります。主業務は、社内に感動をうみ出すこと。イベントを企画し、グッズや冊子、ムービーを作成するのが仕事です。MVPに選ばれた人のお父さんやお母さんのところにこっそりビデオを撮りに行き、感動をうむ。こういうのがあると盛り上がりますよね。

勤めている人たちが欲しいのは、お金だけではありません。給料が上がってどれだけやる気が上がるのか。実はたいして変わらないと思います。本当に欲しいのは、会社で働いていて感動する、嬉しい、皆と働いて楽しいということではないでしょうか。

青野社長:ここまで紹介した制度ですが、正しく利用するためには文化が必要です。次は、文化を育てるために努力していることについてお話します。

※ 後編に続く

(撮影:橋本直己、取材協力:山川譲)