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消費増税「3度目延期」の布石は打たれたか 骨太方針2017で財政健全化棚上げの危機

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  • 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授

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第2次安倍政権になってから、財政の規律は緩みすぎている(写真は3月5日の自民党定期大会にて。撮影:尾形文繁)

6月9日、経済財政諮問会議で「経済財政運営と改革の基本方針2017」(いわゆる「骨太方針2017」)を決定した。今年の骨太方針で注目されたのが、2020年度の財政健全化目標の扱いだ。

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2013年8月、安倍晋三内閣として打ち出した財政健全化目標は、2020年度までに基礎的財政収支(PB)を黒字化することだった。それが、当連載の拙稿「『やるしかない』、財政目標はまだ達成可能だ」でも記したように、今年1月段階の試算で目標達成は難しいとの見通しが示された。これ以降、基礎的財政収支の黒字化目標が達成できないなら、他の目標指標に取り換えてはどうかという議論が官邸周辺や自民党内で出始めた。

結局、「骨太方針2017」では、次のような文言で決着した。

基礎的財政収支の黒字化目標は後退?

「経済・財政再生計画」で掲げた「財政健全化目標」の重要性に変わりはなく、基礎的財政収支を2020年度(平成32年度)までに黒字化し、同時に債務残高対GDP比の安定的な引き下げを目指す。 

「債務残高対GDP(国内総生産)比の安定的な引き下げ」が「同時に」と記され、いわば格上げされ、基礎的財政収支の黒字化目標は後退したというのが、報道での解釈だ。これは、2019年10月に予定されている消費税率の10%への引き上げは、3度延期される布石という見方すらある。

はたして、そうだろうか。

元をたどると、2015年6月に閣議決定された「骨太方針2015」にある「経済・財政再生計画」で掲げた財政健全化目標は、どう記されていたか。次のように記されていた。

2020年度PB黒字化を実現することとし、そのため、PB赤字の対GDP比を縮小していく。また、債務残高の対GDP比を中長期的に着実に引き下げていく。(中略)フローとストックについての指標は共に重要である。

安倍内閣では元から基礎的財政収支の黒字化だけを金科玉条にしていたわけではなかった。財務省は基礎的財政収支の黒字化堅持を唱え続けていたが、骨太方針には債務残高対GDP比の引き下げも併記され、ご丁寧にも、フローとストックの指標は共に重要とまで書かれていた。基礎的財政収支の黒字化目標の呪縛から逃れたいという、政権内部の一部にある動きは、今に始まったことではない。

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【歳出改革の「目安」がもたらした効果】

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