夫の隣で起業する30代女子の「小さな野心」 人生100年時代こそ目の前の現実に疑問符を
実は私、1年の6~7割は北海道にいるんです。夫がホーム戦(※北海道コンサドーレ札幌)の時期もずっと3食作りながら仕事していますし、それができる形を作りました。生活の延長線上に仕事がある、という感覚ですね。ですから、社内にもプライベートを大事にするという風土ができました。休日は休みますし、有給が取りづらいという空気もない。いずれライフステージが変われば、みんなが会社に子供を連れてきて働けるようになればいいなとも思っています。
起業といっても、上場目指して社員と負債を抱えて……という既存の大企業のイメージだけではなく、規模も社員数もいろいろです。昔と違って、今はもう起業=特別なことというわけでもない。それに、会社は必ずしも未来永劫続くものでもないと私は考えています。
大組織なら、創業社長がいなくなっても誰かがそのポジションに入って成り立つでしょうけど、小規模なら、事業内容も固めすぎないほうがいい。会社というより「プロジェクトチーム」のような考え方でもいいんじゃないかなと。
100年後どうなっているかはわからない。けれど、いつ辞めるということを考えるわけでもない。今、共感していて、同じ目標があるから、みんなと一緒にこの船に乗っている。目的地に着いたらそれぞれ自立していってもいい。いつかもっと伝わる方法を生み出したら、「NEXTWEEKEND」に固執せず、違うプロジェクトを始めることだってあるかもしれません。
時代の変化に合わせながら、社員それぞれのライフステージや向き不向きになるべく寄り添って展開していきたいんです。そういった点でも、女性は母性本能がありますし、社員がどういう制度を望んでいるのか、細かいケアにも対応できるかもしれない。「大企業にするぞ」というような男性的な起業ではなく、もっとみんな起業にチャレンジしていいのではと思います。
「キラキラ女子」は実はしっかり内省しています
「NEXTWEEKEND」では、「#週末野心」というハッシュタグで読者同士がつながって、自分の小さな野心を公言しながら楽しんでいるのですが、みなさん「今」に疑問を持つタイプの方が多いように感じます。自分と向き合って、これでいいのかな、今週よりも来週をよくするにはどうすればいいんだろう、と。途中で誰かのせいにしない、向上心の高い人たちですね。
特に、私を含む20代半ばから30代半ばぐらいまでの人たちは、これという成功者のモデルケースが見えなくなってきた世代ですから、自分なりの何かをカスタマイズして見つけ出そうという意識が高まっているのではないかと感じます。世間では「キラキラ女子」と冗談めいて呼ばれたりもしますけれど、それは、外側からの一面的な印象でしかないんです。
私たちの世代は、女を捨てて男と同じように頑張らなければ認められないというわけでもないし、女を使って色気を出さなきゃダメというような感覚も持っていない。いい意味で自分がどうきれいになりたいかを自覚しながら、楽しんで仕事もしていけるんです。ほかの世代から見ると、それが「キラキラ」に見えるのかもしれませんが、本人たちはしっかり内省して、自分と向き合っているタイプだと思います。
今回は『ライフ・シフト』の考え方と「週末野心」の考え方で通ずる部分を見つけられてうれしかったです。仕事机に向かってただそれを義務のように思っているのでなく、おカネのことだけを考えて計画を立てるのでもなく、もっと大きなところで自分を見つめて、楽しいことを描けたらいいですね。
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