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キャリア・教育 #企業再生のリアリズム――地域の現場から

なぜ仕事よりも健康が大事なのか? 優先順位は「立場」によって変わる

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  • 中里 基 企業再生ファンド勤務 ターンアラウンドマネージャー

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戦略コンサルタントを経て、現在、会津のバス会社の再建を手掛ける著者が、企業再生のリアルな日常を描く。「バス会社の収益構造」といった堅い話から、 「どのようにドライバーのやる気をかき立てるのか?」といった泥臭い話まで、論理と感情を織り交ぜたストーリーを描いていく。
車両の安全祈祷はバス会社としてとても重要な行事です。基本的に休みません。休めません。

 「立場」とは何か?

人間いくつになっても、「行く場所」と「帰る場所」は必要だと思います。

たとえば、社会人にとって行く場所は「職場」、帰る場所は「家庭」というのが一般的でしょうか。年齢や環境によって、ここでの「行く場所」は「学校」であったり「習い事」であったり「会合や集まり」だったりと思いますが、いずれにせよ行って帰るという行為は、生来的に私たちのDNAに刻み込まれた基本原理である気がします。

物理的に言えば私の場合、行く場所は福島(会津若松)であり、帰る場所は東京ということになります。その移動にかかる時間は3~4時間程度です。職場と自宅が物理的に何百キロと離れているのは単身赴任ならではですが、その移動時間は自分にとって「立場」の切り替えを行うに当たり、とても大事なものです。

さて、あらためて「立場」とは何でしょうか。

私は今の福島のバス会社で会社役員や取締役という立場にありますが、この役員職務は兼務です。企業再生ファンドの職員というのが主務で、状況によってファンドの立場とバス会社の立場を使い分けています。電話で名乗る肩書や名刺なども、相手によって意識的に変えています。

言い換えると、会津に来ると会社のラインの責任権限の中で意思決定を迫られる立場ですが、東京に戻ると株主として案件の一担当者という立場です。どちらも会社を再生させるという目線はまったく変わりませんが、その行動や振る舞いはかなり意識的に使い分けなければいけないと自覚しています。

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【重役は「重役出勤」をしてはいけない】

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