「お通夜」からの脱却を目指せ
社長の井手氏には、忘れられない光景がある。
2000年代中盤、井手氏がまだ通販担当者だった頃、同社のビールは父の日に爆発的な需要を得はじめていた。ビールを贈る側は「サプライズ感はほしいが、意外すぎるものを贈ってがっかりさせたくはない」という思いを持っている。このニーズに「よなよなエール」はじめ、同社のビールがはまったのだ。ところが……。
「忙しくなりすぎ、私が『皆さん、大変な仕事をお願いしちゃってすみません』とお詫びしてまわるような状況だったんです」
製品は売れ始めていた。社内の誰もが、自分の仕事と決められたことは真面目にこなしていた。だが、雰囲気が暗かった。
「朝礼を実施しても、当時いた20人弱の社員みんなが『特にありません』『私も』と、なんの会話もなく終わってしまうことが多かったんです。私が『せめて今日1日、何をやるか話しましょうよ』と言っても『通常業務です』『私も……』と流されていく(苦笑)」
次ページが続きます:
【影響は必ず仕事の細部に及ぶ】

