【速報・鉱工業生産指数】2月は前月比9.4%のマイナス、5カ月連続低下。在庫減少過去最大でも、在庫率の過去最悪更新続く

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経済産業省が30日に発表した2009年2月の鉱工業生産指数(速報)は、68.7(季節調整値、2005年=100)、前月比9.4%のマイナスとなり、5カ月連続の低下となった。08年11月の8.5%のマイナスがそれまでの過去最大(遡れる1953年2月以来)を更新して以来、大幅な下落が続いている。先月公表された2月の製造工業生産予測指数マイナス8.3%を下回った。

業種別にみると、生産は16業種中石油・石炭製品工業の1業種を除き低下。付加価値額でウエイト付けした寄与度では、輸送機械工業、一般機械工業、電気機械工業、その他工業の順に大きかった。品目別にみると、普通乗用車、小型乗用車、半導体製造装置、セパレート形エアコン、太陽電池モジュール、平版印刷(オフセット印刷)など。
 
 出荷も下落が続く。前月比マイナス6.8%で、指数は70.9。やはり5カ月連続の低下。マイナス幅は前月の11.4%から縮まった。業種別に見ると、16業種すべてで低下し、輸送機械工業、一般機械工業、電気機械工業の順に低下に寄与した。出荷も前年同月比ではマイナス36.8%の急落。

在庫は前月比マイナス4.2%で、08年12月まで3カ月連続で上昇した後、2カ月連続の減少。4.2%の減少は統計を遡れる1953年以来、過去最大の減少幅という。業種別に見ると、上昇は石油・石炭製品工業の1業種のみで、他15業種は減少した。減少寄与度が大きかったのは、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、化学工業の順。

生産、出荷、在庫とも削減の影響がもっとも大きいのが、輸送機械工業である状況は変わらない。一般機械、電気機械の圧縮も目立つ。

2月の在庫率は、過去最大の在庫の減少幅にもかかわらず、前月比4.6%プラスとなお5カ月連続で上昇が続いている。指数水準は158.2(季節調整済)と、前月の150.9を上回った。過去に遡れる1968年以来、過去最高水準を前月に続き、3カ月連続で更新している。

一方、同時に発表された製造工業生産予測調査では、3月は同2.9%上昇。4月は同3.1%の上昇としている。3月の上昇は輸送機械工業、化学工業、電気機械工業等により、4月の上昇は化学工業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業等の寄与を見込んでいる。

前月の予測に対する2月の実現率はマイナス3.7%、3月の予測修正率はマイナス3.6%となった。実現率の低下に寄与したのは、鉄鋼業、非鉄金属工業、金属製品工業、の順。3月の予測修正率の悪化に寄与したのは、一般機械工業、情報通信機械工業、非鉄金属工業。予測調査は3月10日時点。

経済産業省は「このところ大幅な下げが続いているが、マイナス9.4も凄まじい数字」とし、「生産は急速に低下」という基調判断を4カ月連続で据え置いている。生産の大幅な削減で、企業は在庫調整に踏み込んでいる。3月、4月の製造工業生産予測はプラスとなっているが、「足元の生産が下がっている影響が大きいと見られる。2月の実現率、3月の予測修正率とも3%台のマイナスなので、下振れ懸念がある」(経済産業省調査統計部経済解析室)としている。在庫率もなお、高水準で、縮小均衡になかなか歯止めがかからない。

(大崎 明子=東洋経済オンライン)

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