中国のメディアやコンテンツ産業を管轄する国家新聞出版署は8月30日、未成年者の「オンラインゲーム依存症」を予防するための新たな規制を定め、ゲーム会社に通達した。
18歳未満の未成年者に対するオンラインゲームの提供を週末の金曜日、土曜日、日曜日および祝日に限り、時間帯は午後8時から9時までの1時間に制限する。それ以外の曜日や時間帯のゲーム提供は一律禁止する。
この規制により、中国の生徒や学生は金曜日を除く平日にはオンラインゲームにログインできなくなる。ゲーム会社にとって、それは18歳未満のユーザーの利用時間が大幅に減少し、ゲームのアクティブプレーヤー数や課金収入が目減りすることを意味する。
近年はスマートフォンなどのモバイル端末の普及が進んだ結果、青少年が保護者の目を盗んで(保護者の端末を操作したり、成人を装ってアカウント登録したりする方法で)未成年者の利用が制限されているゲームに熱中したり、アイテム課金に多額を費やしたりするリスクが指摘されている。
当局は「保護者の悩みに応えた」と説明
このため今回の通達では、ゲーム会社に対してユーザー登録時の本人確認を徹底するよう強調した。すべてのオンラインゲームで、実在する有効な身分証明書の情報を入力しなければユーザー登録もログインもできないようにする。本人確認が完了していないユーザーには、ゲームの体験版を提供することも認められない。
さらに通達は、ゲーム依存症予防対策の実施状況に対する監督・検査の強化も打ち出した。ゲーム会社が利用時間の制限、本人確認、ルールに基づく課金などを順守しているかどうか、当局が今まで以上の頻度で力を入れて検査する。その結果、順守が不十分と判断されたゲーム会社に対しては、法規に従って厳格な処分を下すとした。
なお、今回の規制強化の背景について、国家新聞出版署は子どものネット依存症に対する保護者の悩みに応えたとしている。「大勢の保護者が非常に心を痛めており、社会的問題になっている。未成年者へのオンラインゲームの提供時間を削減するため、実効性のある対策を取らなければならない」。国家新聞出版署の担当者は、国営通信社の新華社の取材に対してそうコメントした。
(財新記者:関聡)
※原文の配信は8月30日
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