さらに、そのコメントの後に、宿利理事長は「10月の初めにインドを訪問した際に、インドのメディアから似たような質問を受けた」と付け加えた。
後日、調べてみると、「ザ・インディアン・エクスプレス」のサイトに10月11日付で宿利理事長へのインタビュー記事が掲載されていた。その中にこんなやりとりがあった。
「2つのシステム混在の前例はない」
――1つの路線内で、異なる2種類の車両および信号システムを併用して運行している国はほかにあるか。それは安全なのか。
「私の見解では、1つの路線上で2つの異なるシステムを混在させて高速鉄道を運行させた前例はない。それが安全に運行できるかどうかは、実証してみなければわからない。私の考えでは、何らかの不確実性があり、かつ2つの異なるシステムが存在するような状況下で、乗客を乗せた車両を時速300kmで走らせることは不可能だ」
「システムが安全であるとどうやって確認するのか。それを実証しなければならない。最終的には、いずれか一方のシステムが採用されることになると思う。両方のシステムを同時に運用し続けることはできない。どちらが採用されるかについて私がコメントする立場にはないが、それは直接の当事者間、ならびにインド・日本両政府間の協議の結果次第となるだろう」
同紙の質問にあるとおり、ETCSに加えATCも導入することでE10系を走らせるという構想も日印間にあるようだ。それに対する宿利理事長の回答は、やはり否定的なものであった。そもそも、1つの線路に2つの信号システムを採用するという点で二重投資であり、合理性に欠ける。

