では、E10系を開発するJR東日本はどう考えているのか。11月2日に行われた2026年度第2四半期決算説明会の席上で、高岡崇常務執行役員に質問してみた。
高岡常務は「私どもはあくまで日本政府の要請を受けて対応しているので、インドの鉄道関係者の方々がどこの信号システムを使うかは、日本政府とインドの国、鉄道との間での議論を待つしかない」と話し、「新幹線の機能をフルに発揮しようと思えば、日本式の信号であることが前提。欧州式の信号を取り入れれば、その分だけ日本の新幹線の効果が発揮できなくなるのではないか。だが、やめてくださいと言える立場ではないので、政府の要請を受けて対応できることについて対応していくだけだ」と述べた。
インド運転士研修「要請を受けたものは終了」
JR東日本は国際協力機構(JICA)が実施するインド高速鉄道の運転士育成研修に協力している。高岡常務は「私どもは新幹線の運転の指導を行う方々の養成を行なった」として、「以降は養成を受けた方々がインドで運転士を育成・指導されていくものと思う。日本政府から要請を受けて実施したものはすでに終了した」と述べた。信号システムの変更がどのように影響するかについては、「私どもは日本式の新幹線の操縦の仕方について必要な知識、技能を習得してもらうということで研修を行ったので、信号システムが変わったことに関して、もし乗務員の養成の仕方を変えるということであれば、それはインドが考えられること。私どもが協力できることがあれば協力はする」とのことだった。
10月28日にはスペインで高速列車同士が衝突し、11月5日時点で69人が死亡する大惨事となった。事故の原因は現在当局が調査中だが、信号システムの故障と人為的ミスが重なった可能性が指摘されている。
新幹線パッケージの中に欧州システムが入り込むのか、それとも1つの路線上で2つの異なるシステムを混在させて高速鉄道を運行させるのか。いずれの道を選択するにしても、その安全性は現時点ではまったく実証されていない。

