結果として、ETCSの入札は実施され、2025年6月にドイツのシーメンスが加わる企業連合が落札したという発表がなされた。
今年7月に行われた日印首脳会談で、高市首相とモディ首相はE10系の導入目標を改めて確認した。E10系導入の可能性がなくなったわけではないようだが、目標の確認という曖昧な表現に不安が残る。「外見だけE10系にして、中身のシステムは欧州製にすればいい」と口にする人もインド側にいるという。だが、それは新幹線と呼べるのか。新幹線は車両、信号、線路などのハードと運行システムなどのソフトを最適に統合した「トータルシステムアプローチ」によって安全性と信頼性を実現しているからだ。
安全性「『まずやってみる』では話にならない」
10月8日、新幹線システムの海外普及を推進する国際高速鉄道協会(IHRA)の会議が福岡市内で行われた。会議終了後の囲み取材で、IHRAの宿利正史理事長は「信号システムがATCでなければならないとは思わない。それに相当するもの、それ以上のものが技術開発で登場して、それが安全だということが実証され、システムにうまく組み込まれるのであれば、私たちの活動の根本となんら変わりはない」としたうえで、こう注文を付けた。
「ただし、今までにない組み合わせの場合、その安全性が実証されているかどうかが重要だ。『まずやってみる』では話にならない。開発段階でいろいろな実証を行い、それが確実だということが確認されてから、実際に社会実装されることが不可欠である」

