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ライフ #東京「負動産」ビフォーアフター

死刑囚の「終の棲家」はなぜ公園とライブラリになったのか…120年続いた《八王子医療刑務所》の跡地を歩いてわかったこと

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医療刑務所だった場所は、いかにして今風の公園となったのか(筆者撮影)
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八王子医療刑務所のイメージは、精神疾患を持つ受刑者などを収容する国内最大規模の医療刑務所であった側面が強く影響している。精神障害者による殺傷事件などが話題になるたびに、同刑務所はその象徴的な舞台としてメディアに取り扱われてきたからだ。

2004年に第3回新潮ドキュメント賞を受賞し、のちにTBSでドラマ化もされた山本譲司著『獄窓記』(ポプラ社・新潮社)は、当時民主党の衆議院議員だった山本が公設秘書給与流用事件により詐欺罪で実刑判決を受け、栃木県・黒羽刑務所などで過ごした433日間の獄中生活をつづった手記である。

作業中に失禁…刑務所内の「工場の風景とは思えない」光景

同書には、一般の刑務所には知的障害や精神障害を抱え、まともな意思疎通すら難しい受刑者が溢れかえっている実態が赤裸々に描かれていた。作業中に失禁する者、突然踊り出す者がいるなど、刑務所内の「工場の風景とは思えない」光景の数々に山本は驚愕する。

そして、風呂場で必ず大便を漏らす認知症の受刑者について、「さっさと八王子の医療刑務所にでも送って欲しいよ」と愚痴る受刑者が書かれていた。これは精神障害者の中でもかなり重度の者しか八王子医療刑務所に収容されなかったことを示唆するエピソードだ。

同所に直接取材したノンフィクションには、「私が受け持っている精神疾患の患者には、一般の刑務所の処遇では適応できず、職員や他の受刑者に暴行を加えたり、拒食、自傷行為を繰り返した挙句にやって来た者もいます。突然、あばれたり殴りかかったり、全く気が抜けません」という刑務官の話があり、その別格ぶりを裏付けている(清田浩司『塀の中の事情 刑務所で何が起きているか』平凡社新書)。

また、同所は、受刑者、死刑確定者などの「終の棲家」でもあった。有名どころでは、帝銀事件(1948年)の平沢貞通死刑囚(1987年死亡、享年95歳)や、名張毒ぶどう酒事件(1961年)の奥西勝死刑囚(2015年死亡、享年89歳)だ。

平沢死刑囚は、健康状態悪化のため、1985年に仙台拘置支所(宮城刑務所内)から八王子医療刑務所へ移送された。その2年後、死刑未執行のまま肺炎のため同所で病死した。確定から病死までの32年間という拘禁期間は、当時の世界最長記録として国際的にも注目された。

【写真を見る】死刑囚の「終の棲家」はなぜ公園とライブラリになったのか…120年続いた《八王子医療刑務所》の跡地を歩いてわかったこと(63枚)
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