冒頭の男性によると、彼女もInstagramで友人たちの結婚式の写真を見ながら、理想の式のイメージを膨らませているという。
また、片山さんによると、最近は会場の雰囲気やドレス、装花といった見た目だけでなく、ゲストの記憶に残る料理にもこだわるカップルが多いという。
「最初はおおまかな予算を決めていても、『やっぱりこれがいい』『ここにはこだわりたい』と気持ちが動くと、その部分にはお金をかける。そうした声が非常に多いですね」(同)
理想と現実の間で悩むカップルも
さらに、費用の増加を後押ししている要因として片山さんが挙げるのが、親からの金銭的な援助だ。援助を受けることで、希望する演出やオプションを選びやすくなるケースもあるという。
「今回の調査でも結婚式費用を援助をした親は76.4%、援助額の平均は184.4万円という結果が出ています。親御さんも、自分の意見を反映させたいというより、『子どもたちがやりたい形をかなえるためなら援助は惜しまない』という姿勢の方が多いように感じます」(同)
こうしたなか、物価高や結婚式費用の上昇によって、理想と現実の間で悩むカップルもいる。理想の結婚式を思い描いていても、実際の見積額を前に戸惑うケースは珍しくない。
「だからといって、結婚を祝うこと自体をやめようとしているわけではありません。自分たちに合った形、自分たちらしいスタイルを探している方が多いですね」
実際、冒頭の男性も結婚式を諦めたわけではない。だが、式場探しを進めるなかで、予想を超える費用に驚かされたという。
「披露宴の最後にスクリーンに映し出される『今日のハイライト』みたいな映像が何十万円もするのにも驚きました。確かに、その日に撮って編集するのだから、それくらいするのはわかりますが……。
あとは、彼女が『どうしてもやりたい』と言っているのが、披露宴会場の上部から登場する『ゴンドラ入場』です。そうした演出ができる式場自体が今は少なく、対応している式場は費用が100万円近くするそうです」
結婚式を挙げるかどうかだけでなく、どのような形で結婚を祝うのか。いまや、カップルが価値観や経済状況に合わせて選択する時代になっている。
物価高のなかで平均総費用が過去最高額となった背景には、結婚式を選んだ人たちのこだわりがある。単なる豪華志向ではなく、自分たちにとって意味のある時間を大切な人たちと共有したいという強い思いが、その根底にあるようだ。
(AERA編集部・古寺雄大)

