2026年10月21日、東京地方検察庁は知人女性への傷害容疑で逮捕されていたアイドルグループtimeleszの元メンバー・猪俣周杜を不起訴処分(起訴猶予)とした。2025年2月、猪俣はオーディション『timelesz project』を経て同グループに加入した。2026年9月19日、警視庁に逮捕され、25日に釈放されていた。
所属するSTARTO ENTERTAINMENT(以下、STARTO社)は取締役会で猪俣の契約解除を決め、9月30日付で解除。公式HPで謝罪し、不起訴後にも改めて謝罪した。
10月1日、timeleszのリーダー的存在と言われる菊池風磨はメンバーとともに記者会見を行い、謝罪をした。中日スポーツの報道によれば、その際、猪俣の行為を「人として、相手に、ましてやわれわれのことを多く応援してくださっているのは女性の方々だということも認識しています。その女性に対して暴力を振るうという行為自体が、人として考えられない」と指摘した。
一方で、「コミュニケーションをより深める余地があったのではないか」と、自らのマネジメントの反省についても口にした。
中間管理職が菊池風磨に自分を重ねた「損な役回り」
一連の事件や対応をめぐりさまざまな声があるが、もちろん問題の中心にいるのは被害者となった女性だ。そのうえで、筆者は次の点が気になった。「なぜ、組織のトップである会社経営陣ではなく、菊池が表に出て謝罪と説明をしたのか」。
STARTO社は経営判断として契約解除に踏み切り、謝罪も重ねている。だが、会見の場に経営陣の姿はなかった。前面に立って謝罪する菊池の姿に、一般企業の中間管理職の姿を重ねる人は少なくないようだ。筆者の周りで言えば課長層、とくに現場業務と管理業務を兼ねて苛烈な現場を生きるプレイングマネージャーに多い。
プレイングマネージャーは約30年前から、総額人件費の圧縮、削減の必要性に迫られて広まり、結果として数々の問題を引き起こしてきた。とくに氷河期世代の中間管理職は「失われた30年」において損な役回りを強いられてきた。1990年代半ばから2000年代初頭の「就職氷河期」で不本意な就職を余儀なくされたケースが多い。上には大量のバブル世代が滞留していたため、役職に就く時期が遅れ、長らく賃金の伸び悩みを経験した。
また、ここ数年の賃上げの波は主に非管理職層(一般社員)に向けられている。デロイト トーマツの「人事制度・報酬調査2025」によると、非管理職層の報酬水準が3.8〜9.1%増えたのに対し、課長級を含む管理職層は最大2.8%増にとどまっている。中途採用市場でも年齢的なハードルがあり、身動きが取りづらい。


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