大河ドラマ「豊臣兄弟!」において、小田原北条氏の4代目当主・北条氏政(1538〜1590)は谷原章介さんが演じています。
「豊臣兄弟!」のホームページでは「家督を嫡男の氏直に譲り、御隠居様として活動。その手腕で関東一帯を手中に収め、天下一統を目指す秀吉たちの最後の敵として立ちはだかる」と氏政は紹介されていることから、同ドラマのラスボスとして注目を集めているのです。
「北条家は私の代で終わり」の真因
しかし氏政と言うと、次の逸話に象徴されるように暗愚な人物という評価が一般的ではないでしょうか。
ある時、氏政は父の北条氏康(3代目当主。小田原北条氏の全盛期の基礎を築いた名君として著名)と食事をしていました。その際、父・氏康は氏政の食事の様子を見て、突然、落涙します。そして「北条の家は私の代で終わりじゃ」とこぼすのです。氏康の言葉を聞いた氏政や重臣らは、あまりのことにしらけ切ったと言います。
ではなぜ氏康はそのようなことを言ったのか。それは氏政のご飯の食べ方にありました。
氏政は1膳の飯に汁を2度かけていたのです。身分の上下によらず、1日2度の食事は必ずするもの。そうであるのに、1膳の飯に汁をかける加減すらもわからずに、足らぬからといってまたかけるのは、いかがなものか。朝夕行っていることさえ見通しがきかぬようでは、人の本心を見抜いて、人材を選ぶことなどできまい。人の判定ができなければ、よき家臣を抱えることはできない。
氏政に優れた家臣がいない場合、私(氏康)が死んだら、隣国の大将が攻めてきて氏政を滅ぼすであろう。そうした考えから、氏康は北条の家は自分の代で終わると落涙したのでした。


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