1/7 PAGES
生成AIの登場を受け、企業のAI活用は、既存業務の一部を効率化する段階から、AIの存在を前提に業務プロセスやサービスそのものを設計し直す段階へと広がりつつある。
人間から1つひとつ指示を受けて回答するだけでなく、与えられた目標に応じて複数の工程を進め、必要なツールを使いながらタスクを遂行するAIエージェントの登場は、この変化を象徴している。企業はここで、「この作業をAIで効率化できるか」からさらに踏み込み、「一連の仕事のうち、どこまでをAIに任せ、どこを人間に残すのか」という問いに直面することになる。
本稿では、AIを前提としたビジネスや業務の設計が求められる中で、AIに何を任せ、人に何を残すのか。『
AI倫理』の共訳者・相吉健吾氏が、AI倫理、ひいては社会善の観点から考えるための足がかりを提示する。
「AIにできないこと」を人間の仕事にする限界
AIと人間の役割分担を考えるとき、「AIにできることはAIに任せ、AIには難しいことを人間が担う」という整理はわかりやすい。大量のデータ処理や定型作業はAIに、創造性や複雑な判断を伴う仕事は人間に、という考え方である。AIができることとできないことの境界が比較的明確であれば、この考え方は合理的だった。
しかし、その前提が崩れ始めている。文章や画像の生成、プログラミング、情報検索だけでなく、いわゆるクリエイティブな作業や「どのように作業を進めるべきか」という判断まで、AIが一定程度、自律的に行いながらタスクを遂行できるようになっている。
AIの能力が高まるほど、これまで「人間にしかできない」と考えられてきた領域にもAIが入り、人間の仕事を「AIにできないことの残余」として定義することは難しくなる。
2/7 PAGES
3/7 PAGES
4/7 PAGES
5/7 PAGES
6/7 PAGES
7/7 PAGES
※ログイン後、コメント入力が可能です。