第2の問題は、AI特有の「人工的な表現」に対する違和感である。人物の動作、物体の形、場面のつながりなどにわずかな不自然さが残ることがある。完成度が高い映像であっても、一部の視聴者が細部を繰り返し確認し、気になる箇所を指摘する。
象徴的なのが、アメリカのコカ・コーラが展開してきた生成AI活用のクリスマス広告だ。24年に公開された広告は、人物の不自然な動きや人工的な質感などをめぐって批判を浴びた。25年には動物を中心に据えるなど表現を見直した新たな広告を公開したが、やはり不自然さや創造性の乏しさを指摘する声が上がった。
伝統的なクリスマスの世界観を新しい技術で再現する試みであっても、映像の細部や質感に違和感を覚える人がいたのだ。大多数が流して見れば気づかないような部分でも、静止画にしたり繰り返し再生したりすれば、不自然さは確認できる。
「生成AIチェッカー」のような人も出てきている
日本でも、味の素の生成AIを使ったSNS投稿が物議を醸している。
今年8月、同社の「ほんだし」を使ったレシピ画像で、商品ラベルの文字が崩れていたことが指摘された。実写写真の明るさや背景をAIで加工した際に生じたもので、同社は確認不足を謝罪した。単なる画像の不具合にとどまらず、「自社商品なのに気づかないのか」という批判にもつながった。
実写の映像や画像にも編集上の粗や演出の不自然さはある。しかし、AI映像だとわかった途端に、視聴者が「どこかおかしいところはないか」という目で見始める場合がある。作品を楽しむための鑑賞が、欠点を探すための検証へと変わるのだ。


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