しかも、SNSでは、1人が見つけた違和感が切り抜き画像とともに共有される。その指摘を見た人が、同じ箇所に注目する。最初は気づかなかった人まで不自然に感じるようになることもある。作品全体への評価とは別に、特定の場面だけが独り歩きしてしまう。最近は、生成AIで作られたかどうかをチェックする「生成AIチェッカー」のような人も出てきている状況だ。
AIを使ったこと自体が批判される時代になった
第3の問題は、映像の出来とは無関係に、生成AIの利用そのものを好ましく思わない人がいることだ。「人間のイラストレーターやアニメーターの仕事が奪われる」「既存の作品が本人の同意なく学習に使われているのではないか」「制作費や時間を削るために、創作者の技術が軽視されているのではないか」。そうした懸念が背景にある。
企業がAIを使って制作したビジュアルを公表した際、品質の良し悪しとは別に批判を受けるケースもある。生成AIを使って作られた時点で、「人工的すぎる」「人間味がない」「クリエイターへのリスペクトが足りない」といった批判が生じる。
もちろん、生成AIを使うこと自体が悪いわけではない。新しい表現を可能にし、小規模な制作チームにも高度な映像制作の機会を開く。制作上の反復作業を減らし、人間が企画や演出に時間を割けるという利点もある。


※ログイン後、コメント入力が可能です。