重要なのは、明確な倫理違反や差別表現がなくても、違和感が積み重なれば批判につながるという点だ。しかも、今回のMVではアニメーション制作に生成AIが使われたとされることが、受け止め方をさらに複雑にさせている。「AI感が好きじゃない」「AIを使っているから違和感があったんだ」というような意見も目にする。
夜の仕事の描き方についてはすでにいくつか論考が出ているため、本稿では生成AIを使った表現の難しさに焦点を当てたい。
ディズニーの「シンデレラ」を連想させるという声
筆者が『シンデレラ』のMVのアニメーション部分を見て最初に感じたのは、ディズニーの「シンデレラ」を連想させるということだった。同じようにそれを指摘する声も、SNSではいくつか見られた。これがなぜ反発につながったのか。
この1年ほどで、生成AIによる映像制作の環境は大きく変わった。映像の質や動きの自然さが向上し、広告やSNS動画などでもAIを使った表現に接する機会が増えている。一方で、見る側も経験を重ね、「AIらしさ」を敏感に見つけるようになった。
現在、生成AIを使った創作物に対する反発の要素は、大きく下記の3つに整理できる。
2. 人工的な映像そのものへの違和感
3. 生成AIを使用したという事実への反発
ややこしいのは、これらそれぞれが単体で反発を浴びるのではなく、複数の要素が一体となっていることが多い点だ。


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