当該MVは批判を受けて翌13日に公開停止となり、レーベルと事務所が謝罪文を出した。大森さんも、経緯の説明と謝罪を公式サイトに掲載している。CMで楽曲を使っていた日本コカ・コーラは、この曲を使った広告素材の放映を停止した。
この記憶があるから、ミセスの新作は、出るたびに「道徳の審査」を受けやすい。ミセスはいつの間にか、音楽とは別の物差しで測られている。筆者にはそう見える。
「大森元貴の飛び抜けた創造性」が前提にあるからこそ、“陳腐”という感想に
もう1つの期待は、創造性だ。大森さんは、ミセスの全楽曲の作詞、作曲、編曲を手がけ、アートワークやMVのアイデアまで担当している。24年には、Billboard JAPANの年間作詞家チャートと作曲家チャートで、2年連続の1位に輝いた。現在の音楽シーンで、作り手としての創造性は頭一つ抜けた存在だと言える。
だからこそ、今回の設定を「陳腐」だと感じた人がいたのだろう。《この思想でつくったなら安直です。すごい才能なのに》。冒頭で紹介した《ドレスだからキャバ嬢なの?》という投稿も、「クリエイターとして」と続いていた。
興味深いのは、こうした批判の言葉にも、才能への敬意が交じっていることだ。期待が高いから、物足りなさが目立つ。「すごい才能なのに」という一言が、それを物語っている。
ただし、作り手は安易な発想からではなく、丁寧に設定を作り込んだことも伝えられている。音楽WEBメディア「THE FIRST TIMES」によると、大森さんは今作で監督に加えて企画・脚本も手がけ、キャバクラ嬢という職業については、実際に働く方へのヒアリングも行い、リアリティにこだわったという。


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