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ライフ #開業医がこっそり教える医療のリアル

「腫瘍は残り、脳幹が削られていた…」歴20年以上の40代医師がなぜ? 京大病院の事故に見る、医療という仕事の"2面性"

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京都大学医学部附属病院 京大病院
医療事故があった京都大学医学部附属病院(写真:東京スポーツ/アフロ)
  • 松永 正訓 医師・ノンフィクション作家
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さらに手術を複雑にしているのが髄膜腫という病気の特性である。髄膜腫という腫瘍は血管の塊であるため、手術中に大量に血が出る。

外科医にとって手術で1番イヤなのは出血である。その理由、わかりますか? え、血が出たら危険だから? そうではなく、血が出ると手術の光景(これを術野という)が真っ赤になって何も見えなくなるから。だから外科医は血が嫌い。

髄膜腫の手術では、術前に血管造影を行って、カテーテル(医療用の細い管)を腫瘍まで進め、腫瘍の血管の中に塞栓剤を詰めてしまい、術中に出血しないようにすることもある。

医学生だった筆者が経験した髄膜種の手術

今から40年前、若き筆者は医学生で、脳神経外科の実習をした。そのときに割り当てられた患者さんが髄膜腫の人だった。腫瘍は脳の表面にあり手術自体は困難ではなかったけど、血管造影を行って腫瘍内部の血管を潰した。これが奏功して手術はスムーズに進んだ。

手術前にはずっと眠っているような状態だった患者さんが、手術の翌日からベッドに座ってしゃべっているのを見てびっくりしたことをよく覚えている。本人もご家族も大喜びだっただろう。

今回の京都大学病院の件では、術前に血管造影をやったかどうかは報道されていないが、いずれにしても、脳腫瘍の手術としては最難関の手術をすることになった。

執刀医は40代でキャリア20年以上。CPアングル腫瘍の手術をおよそ100例手がけた経験があり、そのすべてに成功しているという。

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