では、破壊行為の映像や混乱ばかり報道される裏で、現地で暮らす普通の人々は今回の抗議活動をどう捉えているのだろうか――。
5歳の息子を育てる女性の「声」
パリ郊外で5歳の息子を育てているアンさん(40代・システムエンジニア)は、高校生たちの訴えには理解を示していた。
「私が20年以上前に通っていた学校は、新しいとは言えないまでも普通に使えた。報道で見る今の学校の荒れようには心が痛みます。いすが足りない、配管が壊れているといった状況は、あってはならないこと。国は予算をどこに使っているのか」
息子の教育環境にも不安があるという。「息子のクラスは30人に教員1人とアシスタント1人。この先、学校の教育環境はどうなっていくのか心配です」と話す。筆者の娘が通う学校でも、長期病欠している教員の代理が次々と替わっていると聞く。高校だけの問題ではない。
一方で、アンさんは抗議活動と暴動を明確に区別する。
「デモに参加する人と、破壊や略奪を行う人を混同してはいけない。集団でいることによる高揚感や、『何をしても見つからない、罰せられない』という意識が、暴力を助長しているのではないか」


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