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「プレ出雲大社」の存在を示唆する説も…神話には創建が明記されていない「出雲大社」は、いったいいつ誰が建てたのか?

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「記紀」をひも解いて見えてきた、出雲大社創建にまつわる謎とは(写真:denkei/PIXTA)

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国つ神のオオクニヌシが国土を天つ神に献上し、その見返りとして自身が住むための壮大な住まいを用意してもらった――。一般に、この「国譲り神話」が縁起譚として語られる出雲大社だが、古代史に詳しいライターの古川順弘氏によれば、じつはその創建については謎が多いという。
本稿では、「記紀」に残されたエピソードをつぶさに考察していくことで見えてくる、出雲大社創建以前に存在していた「プレ出雲大社」の可能性について、古川氏の著書『神社に秘められた古代史の謎』から一部を抜粋・編集する形でお届けします。

記紀に記されたオオクニヌシの「国譲り」

「神々の原郷」「神話の国」――。しばしばそう形容される出雲(島根県東部)の地に鎮まる出雲大社は、オオクニヌシ(大国主神/大己貴神・おおなむちのかみ、大穴牟遅神・おおあなむぢのかみなどの別名もある)を主祭神とする。

この神社の歴史は古く、しばしば「日本最古の神社」とも評される大神(おおみわ)神社や、伊勢神宮よりも歴史が古いと言えるかもしれない。なぜなら、記紀(『古事記』『日本書紀』)では、出雲大社の始原は神代にさかのぼるものとして説明されているからだ。

では、記紀神話に記された出雲大社の始原とはどのようなものだったのか。そのあらましを、『古事記』に拠りながら記しておこう。

〈遠い昔の神代のこと、高天原(たかまのはら/天上世界)にはアマテラス(天照大御神)をはじめとする天つ神(あまつかみ)が、地上世界にはオオクニヌシをはじめとする国神(くにつかみ)が住まっていた。

ところが、地上世界がオオクニヌシの働きで整えあげられると、高天原を統べるアマテラスはこれを自分の御子に統治させたいと思うようになり、タケミカヅチ(建御雷神)を使者として地上世界に遣わした。

出雲国に降臨したタケミカヅチは、オオクニヌシに対して、国土を天つ神に献上するよう要求した。オオクニヌシの御子であるタケミナカタ(建御名方神)はこれに抗うが、タケミカヅチとの力競べに負けると、信濃の諏訪湖に逃走して降参。結局、オオクニヌシはタケミカヅチの要求にしたがって国土を天つ神に献上するが、このときひとつだけ条件をつける。

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