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「AI都市」構想で移転論が再燃する台北・松山空港、開港90年の歴史に刻まれた戦争とインド独立の英雄の悲劇

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11月の台北市長選挙を前に、現市長が再開発に言及した台北松山空港(写真:Jun/PIXTA)

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2026年10月8日、台北市の蔣万安市長(47)は、「AI黄金世紀を築き、都市の潜在力を全面的に解放する」と題した市政記者会見を開き、市内中心部に位置する台北松山空港の移転構想を発表した。空港と周辺の土地、計約300ヘクタールを活用し、「台北AIパーク」をはじめ、住宅地や大規模な公園を整備するという都市構想である。

現在、台北市内およびその周辺には、北投士林科技園区、内湖科技園区、南港のソフトウェア産業拠点などがある。蔣氏は、新たなAIパークを整備することで、これらの産業拠点を結び、北台湾のハイテク産業をつなぐ一大産業ベルトの形成を目指すとしている。

台北市政府の試算によれば、この構想によって約6万5000人の雇用が生まれ、約12兆台湾ドル(約58兆3000億円)規模の産業価値が創出されるという。

また、松山空港が担ってきた国内線や近距離国際線などの航空輸送については、桃園国際空港の第3ターミナルや第3滑走路の整備を見据え、同空港への集約を視野に入れている。ただし、これはあくまで移転構想の実現を前提とした見通しであり、松山空港の移転や航空輸送の全面的な集約が決定したわけではない。

市長選前の突然の構想提案

26年11月の統一地方選挙で再選を目指す蔣氏をめぐっては、対抗馬である民進党の沈伯洋氏(44)が支持を伸ばし、選挙戦が接戦になるとの見方も浮上していた。

世論調査の専門家、戴立安氏が関与した調査として9月22日に公表されたデータでは、蔣氏の支持率が41.7%だったのに対し、沈氏は40.5%で、その差はわずか1.2ポイントだった。もっとも、この調査の結果だけで選挙全体の情勢を判断することはできず、別の調査では両者の支持率に異なる差が示されている。

市政運営をめぐる批判や個別の行政課題への対応に加え、選挙戦ではさまざまな問題が争点となる。そうした中、蔣氏の陣営が選挙の争点を「未来の都市ビジョン」や「国家規模の巨大投資」へと転換し、自ら主導権を握り直そうとした可能性がある。今回の発表は、そうした政治的な戦略の一環として捉えることもできる。

松山空港の移転論は、今回初めて浮上したものではない。過去にも台湾の政治家や候補者が、空港の移転や跡地の再開発を提唱してきた。例えば、22年の台北市第3選挙区の立法委員補欠選挙では、民進党の呉怡農氏が松山空港の移転を公約に掲げ、桃園国際空港の第3滑走路の整備を見据えた計画を提案している。

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