さらに、ブルーベリーという作物そのものの性質もあります。ブルーベリーは、場所の制約が比較的少ない作物です。りんごのように涼しい地域でないと作りにくい、ということがあまりありません。
東京で多く栽培されているのは、暑さに強い「ラビットアイ系」と呼ばれる品種です。また、ブルーベリーは酸性の土を好みます。関東ローム層に覆われた練馬区などの土地は、ブルーベリーの栽培に向いていたのです。
気候や土地の条件に大きく縛られないので、「作りやすい場所」より「売りやすい場所」を選べるわけです。そしてその条件に、東京がぴったり当てはまったということです。
ちなみに、ブルーベリーが日本で初めて農作物として栽培されたのも東京です。
「日本のブルーベリーの父」と呼ばれる東京農工大学の岩垣駛夫教授が研究を進め、1968年に小平市で民間での栽培が始まりました。
いまでも小平市の花小金井駅前には、「ブルーベリー栽培発祥の地こだいら」の標柱が立っています。東京とブルーベリーには、実は長い付き合いがあるんです。
「なるほど!」に至るまでを考えてみよう
以上をふまえて、答えをまとめてみましょう。たとえばこんな形です。
ポイントは、「人口が多い」「消費地に近い」「観光農園」「付加価値」といった要素です。
どれも、知識として覚えていたものではなく「東京ってどんな場所だっけ?」「ブルーベリーってどんな果物だっけ?」と考えていけば出てくるものです。
僕がこの問題を好きなのは、東大の入試問題でありながら、答えを聞けば誰でも「なるほど!」と納得できるところです。そして、その「なるほど」に至るまでの考え方こそが、東大が受験生に求めている力なのだと思います。
すいかが熊本県、ブルーベリーが東京都。
こうした意外な事実の裏には、必ず「なぜ?」があります。
その「なぜ?」を、自分の知っていることを組み合わせて考えてみる。それが地理という科目の本当の面白さですし、頭をよくする練習にもなります。
皆さんも、自分の住んでいる地域の名産品について、「どうしてこれが名産なんだろう?」と考えてみてください。きっと、思いもよらない発見があるはずです。


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