1998年、明石海峡大橋が開通した。橋が買い物の行動を変えたことは、数字に表れている。地理学者・駒木伸比古氏の研究によると、婦人・子供服を県外で買う人の割合は、開通前の約1%から、2001年には5.4%へ上がった。
『週刊東洋経済』(2001年5月5日号)によれば、徳島と関西を結ぶ高速バスは1日100便以上。記事は、そごう徳島店の競争相手として三宮のそごうを挙げている。同じそごう同士が、客を取り合うようになっていた。
そごう徳島店の売り上げは1999年度に327億円、2000年度には325億円。ピークから100億円以上減っていた。
東新町一丁目商店街振興組合の前理事長・竹原俊二さんも、橋の影響を強く感じていたという。
「バーゲンの時期なんかは、みんな神戸や大阪へ買い物に行っていました。そごうの開業よりも、橋の影響のほうが大きかったかもしれません」と振り返る。
そして、買い物客が向かった先は、県外だけではなかった。
「1カ所で済む場所」が県内に増え続けた
徳島経済研究所の里正彦氏は、中心市街地の変化を「橋だけではない」と語る。橋より前から、街の成り立ちそのものが変わっていたという。
かつて物流は川を使い、公共施設も中心市街地に集まっていた。しかしトラック輸送が広がると、企業は中心市街地にある必要がなくなる。公共施設も、駐車場を確保しやすい郊外につくられていった。


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