ところで、みなさんは腸内環境を乱すもっとも深刻な要因は何だと思いますか?
たぶん「食べすぎ、飲みすぎ」「偏食」「ストレス」「生活リズムの乱れ」など、いろんなワードが頭に浮かんでいるだろうと思いますが、じつは、もっとも大きなマイナス要因は「加齢の影響」なのです。
たとえば、乳幼児期の腸はすこぶる健康で、腸内細菌の数も多いし、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌もたくさん棲息していることが分かっています。そうした腸内環境だと、排泄される便もそれほど臭くはありません。
これが、年齢を重ねて60歳くらいになるとどうなるでしょう。なんと、乳幼児期に100億個以上あったビフィズス菌は、100分の1以下の1億個ほどに減るとされています。また、これに反比例するように、ウェルシュ菌、大腸菌などの悪玉菌勢力が大幅に増えてきます。さらに、腸内細菌の全体数も大幅に減少して、腸全体の活動も鈍くなっていってしまうのです。
このため、60歳を過ぎて高齢期に入ると、便秘に悩まされる人がどっと増え、悪玉菌が多量の毒素や有害物質をつくるせいで、排泄される便にも強烈な悪臭が伴うようになります。
60歳を過ぎると、急に老け込んだりあちこちに不調や病気を訴えたりする人が増えてくるものですが、これには腸内環境の衰えが急激に進むことがかなり大きく影響していると言っていいでしょう。
「腸育」が、健康工場をよみがえらせる
では、こういった「加齢による腸の衰え」をみすみす進ませないためには、いったいどうすればいいのか。
私はそのためには、腸をイチから育て直す「腸育」を行う必要があると考えています。「腸育」とは、食生活や生活リズムはもちろん、自律神経やストレスなどの問題を根本から見直して、腸の健康を立て直していくメソッド。
自分の子どもを育て直すような感覚で、おなかの中の“腸という子ども”をイチから育て直していくのです。これを行って腸内環境をしっかり整え直していけば、高齢になっても腸の衰えを防いでいくことができるでしょう。
腸内フローラは心身の健康を生み出す工場のようなもの。
「腸育」を行ってその環境をしっかりリセットしておけば、腸という工場は、高齢になってもどんどん健康を生み出してくれるものなのです。ぜひみなさんも「腸育」を実践して、腸という健康工場をしっかり稼働させてください。きっと、その試みはさまざまな病気や不調を抑え、みなさんの人生をより好調な流れへシフトしてくれることでしょう。


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