この経度の問題は、歴史的にもとても大きなテーマでした。自分がどこにいるのかわからないのは、船乗りにとって命に関わるからです。
そこで18世紀、イギリスの時計職人ジョン・ハリソンが、揺れる船の上でも正確に時を刻む「マリン・クロノメーター」を開発し、この問題の解決に大きく貢献しました。
正確な地図に必要だったのは「時計」
つまり、正確な地図をつくるのに必要だったのは、実は「正確な時計」だったんです。地理の問題なのに、答えのカギが時計にある。ここがこの問題の面白いところですよね。
この問題で使う知識は、緯度と経度の意味、北極星の高さと緯度の関係、経度15度で1時間の時差。どれも中学レベルです。
でも、これらをつなげて「だから昔の地図は東西がズレるんだ」と説明できる人は、なかなかいないと思います。
東大の入試には、こういう問題が本当に多いんです。難しい知識を知っているかではなく、知っている知識を組み合わせて、目の前の「なぜ?」に答えられるかが問われます。
自分自身、受験生のころは「暗記した量が多いほうが勝つ」と思っていました。
でも東大の過去問を解くうちに、知識を「点」で覚えるのではなく、「なぜそうなるのか」という理屈で「線」につなげることが大事なんだと気づかされました。
テストのためだけだと思っていた時差の計算が、大航海時代の船乗りの悩みや、450年以上前の地図のゆがみにまでつながっている。
そう考えると、勉強ってちょっと面白くなってきませんか?


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