乳腺の細胞にはオキシトシンを受け取る受容体があり、オキシトシンが届くと細胞の異常な増殖にブレーキがかかります。イランのガン研究センターのアリザデらの研究では、運動によってオキシトシンが増えると、乳がんの腫瘍が小さくなったという動物実験のデータもあります。
友人と笑いながら歩いた散歩。娘と肩を並べて見たテレビ。孫を膝に乗せた午後。そういう穏やかでゆったりした時間は「ただ楽しい」だけではありません。身体の内側で、静かな修復が始まっています。
ノンレム睡眠の時間を増やす
■オキシトシンは、深い眠りをもたらす
「最近、眠りが浅くて」という言葉は、50代の女性同士の会話で、驚くほどよく出てきます。ちょっとした物音で目が覚める。朝4時に起きてしまって、そこから眠れない。疲れているのに、眠れない。
睡眠の悩みは、体力や意志の問題ではありません。ストレスホルモンが高いまま夜を迎えると、身体は緊張したまま眠ろうとします。エンジンをかけたまま、ブレーキを踏んでいるような状態です。
オキシトシンは、このエンジンを静かに切ってくれます。副交感神経を優位にし、深いノンレム睡眠の時間を増やすことが研究でも確認されています。
「大切な人のそばで眠ると、よく眠れる」という感覚に覚えがある方も多いでしょう。それはオキシトシンが作り出す、身体の自然な安心の仕組みです。
眠れない夜は、まず身体を温めてください。温かい飲み物を両手で包む。湯船にゆっくり浸かる。柔らかいものに触れながら、自分の胸に手を当てる。眠りは「つかみに行く」ものではなく、身体が安心したときに「向こうからやってくる」ものです。



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