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「日本は遅れていると悲観する必要はない」経営学の権威・野中郁次郎が"最後の対談"で語った《世界に誇れる日本の企業》

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「3つの過剰」に陥った日本企業が、本来の強みを取り戻すには?(写真:Hanna / PIXTA)

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日本企業はなぜ停滞から抜け出せないのか。経営学の泰斗・野中郁次郎氏(故人)が俊英の経営学者である岩尾俊兵氏と対談。同対談は、野中氏の生前最後の貴重な対談となった――。
本稿では、対談の全文を収録した岩尾氏の新著『武器としての経営思考』(PHP新書)から一部を抜粋。「過剰計画・過剰分析・過剰規制」の「3つの過剰」に陥った日本企業が、本来の強みを取り戻すための処方箋を明かす。
※なお、初出は『中央公論』2024年12月号掲載

日本企業を停滞させる「3つの過剰」

岩尾 日本企業はいまなお「失われた30年」から抜け出せていないように見えます。GAFAMのようなビッグテック企業が生まれず、世界的に注目される経営者も非常に少ない。野中先生は、どこに「日本停滞の原因」があるとお考えですか。

野中 たしかに、IMD「世界競争力ランキング」2024年版で、日本は過去最低の38位まで落ちてしまいました。評価基準を見ると、3分の2は統計データで、残り3分の1は企業幹部へのアンケート。要するに、日本のトップマネジメントたちは自信を失っているんじゃないかな。

バブル崩壊後、自己不信に陥った日本企業の多くが計画や分析、統制のための経営ツールや手法をアメリカから導入し、モノマネ経営に走りました。手段であるはずの経営ツールが過剰になっていき、目的化した帰結として、現象学者フッサールの言う「日常の数学化」が進行した。数字やロジックばかりが先行し、本質的な意味を問わなくなった。オーバープランニング(過剰計画)、オーバーアナリシス(過剰分析)、オーバーコンプライアンス(過剰規制)という「3つの過剰」に陥ったのです。

経営というのは本来、人間の生き方そのものです。人間のモチベーションの源泉は、内的な動機づけにある。それが昨今のように量的な管理が進むと、内なる自律性は阻害され、イノベーションに向かう組織のエネルギーが毀損してしまう。

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